東京の国宝・重要文化財(建造物)を訪ねて

港区-1

旧台徳院霊廟惣門(重要文化財)-------東京都港区芝公園4-8-2

台徳院霊廟は、二代将軍徳川秀忠の霊廟として寛永9年(1632年)に造営されたが戦災で多くの建物が喪失、残ったものは、惣門・勅額門・御成門・丁字門だけであった。その中で、惣門だけが現存して保存されており、それ以外は埼玉県の狭山不動寺に移築されている。
霊廟惣門左右に鎮座する寄木造り、砥粉地彩色の仁王像は、江戸の仏師が制作したと推測される貴重な作品と言われている。

...重要文化財:霊廟惣門・・・

港区指定文化財:木造二王像


増上寺三解脱門(重要文化財)-------東京都港区芝公園4-7-35

三解脱門とは、寺院の正面に配置される三門(空門、無相門、無願文、を経て悟りの道へ)のことで、増上寺の表の顔となっている。
慶長16年(1611年)に徳川家康の助成で江戸幕府大工頭・中井大和守正清によって建立され、元和8年(1622年)再建された。
三戸楼門、入母屋造、朱漆塗。唐様を中心に和様を加味した江戸時代初期の面影を残す貴重な建築物として、大正4年(1915年)に重要文化財に指定された。

・・・・・・・・・重要文化財:三解脱門・・・・・・・・・・

増上寺には多くの文化財が残っているが、建造物で注目すべきは「水盤舎」と「鐘楼堂」である。
水盤舎は清揚院殿(徳川三代将軍家光の三男綱重)の霊廟にあったものを移築したもの。また鐘楼堂の大梵鐘は、延宝元年(1673年)鋳造され、東日本では最大級のものとして江戸庶民に親しまれていたと言う。

港区指定文化財:鐘楼堂

港区指定文化財:水盤舎


有章院(徳川家継)霊廟二天門(重要文化財)-------東京都港区芝公園3-3

亭保2年(1717年)に、徳川八代将軍吉宗が建立した豪華な霊廟であったが、戦災により消失、二天門だけが残った。三間一戸八脚問で、切妻造銅瓦葺き。左右に多聞天と広目天を配置している。昭和5年(1930年)に歴史的価値を評価され重要文化財に指定された。

...重要文化財:有章院霊廟二天門・・・

左が北方を守る多聞天(毘沙門天とも呼ばれる武将形)、右が西方を守る広目天。この他浅草寺の二天門には南方を守護する増長天、東方を守護する持国天が配備されている。これらは四天王と呼ばれる仏教の守護神になっている。


瑞聖寺大雄宝殿(重要文化財)-------東京都港区白台3

紫雲山瑞聖寺の創建は、寛文10年(1670年)に建設着手、翌年には諸堂が完成したと言われている。その後二度の火災で被害を受けたが1804〜1818年の間に整備された。そのなかで、中心的な建物の大雄宝殿は軒札から宝暦7年(1757年)の再建と推定されている。

入母屋造、本瓦葺きの重厚な本格的な仏堂建築として貴重な存在と言われている。
平成4年(1992年)に、歴史的価値が評価されて重要文化財に指定された。