東京の国宝・重要文化財(建造物)を訪ねて

港区-2

旧東宮御所・迎賓館赤坂離宮(国宝)-------東京都港区元赤坂2-1-1

国宝に指定された建造物(日本中で216件)で東京都内にあるのは、僅かに2件にすぎない。その内の1件がこの「旧東宮御所の迎賓館赤坂離宮」になる。(他の1件は、東村山市の『正福寺地蔵堂』である)
旧東宮御所は、皇太子明宮嘉仁親王(後の大正天皇)の住居として明治42年(1909年)に建設された宮殿建築で、本格的な西欧建徳様式を採用し、かつ日本独自の精緻な工芸技術を駆使した、明治期最大の記念建築と評価されている。

構造形式は、石造及び鉄骨煉瓦造、建築面積5150平方メートル、地上2階地下1階建、銅板葺、車寄せ階段付属。
平成21年(2009年)に、明治期における日本人が設計した建築の到達点を示すものとして、文化史的意義が特に深いと評価され、国宝に指定された。


明治学院インプリー館(重要文化財)-------東京都港区白金台1-2-37

明治19年(1886年)に東京一致神学校と東京一致英和学校が合併して明治学院が誕生した。その後宣教師の住居として四棟の宣教師館が建設されたが、宣教師インプリーが長年居住したインプリー館はその内の一棟である。明治22年(1889年)に建造された現存する都内最古の宣教師館である。木造、二階建、銅板葺で、1870年代にアメリカで流行った木造住宅の様式を備えている。
平成10年(1998年)に歴史的価値の高いものとして評価され、重要文化財に指定された。

-----港区指定有形文化財:明治学院チャペル-----

-----港区指定有形文化財:明治学院記念館

大正5年(1916年)、W・M・ヴォーリズの設計により竣工。
平成元年(1989年)に「東京都港区有形文化財」に指定され、平成14年(2002年)に「東京都港区景観上重要な歴史的建造物等」の指定を受ける。

明治23年(1890年)、アメリカ人宣教師 H・M・ランディスの設計により竣工。ネオゴチック様式の総赤煉瓦、フランス瓦葺、二階建。  昭和54年(1979年)に「東京都港区有形文化財」、平成14年(2002年)に「東京都港区景観上重要な歴史的建造物等」の指定を受ける。


慶応義塾図書館(重要文化財)-------東京都港区三田2-15-45

慶応義塾創立50周年を迎えた1907年に、記念事業として計画された図書館で明治44年(1911年)に竣工した。
関東大震災と東京大空襲という二度の災害を乗り越えて、赤煉瓦と花崗岩の壮麗なゴシック様式の建設当時の外観を留めている。
昭和44年(1969年)に、明治末期の代表的遺構として重要文化財に指定された。

本館(地階・地上三階)、書庫(地上六階)、東西の八画塔(地上四階)の建坪200坪。一階ロビー(上写真)から二階に上がる階段と踊り場のステンドグラス(写真下・左右)は、見事なものである。


慶応義塾三田演説館(重要文化財)-------東京都港区三田2-15-45

明治8年(1924年)、福沢諭吉によって建設された日本で最初の演説会堂である。
木造瓦葺き・なまこ壁で、日本独特の手法にアメリカ的構造を取り入れた明治初期の洋風建築では極めて珍しい遺構と言われている。

昭和42年(1967年)、都内に残る貴重な明治初期の洋風建築として歴史的価値を評価され、重要文化財に指定された。