東京の国宝・重要文化財(建造物)を訪ねて

大田区

池上本門寺宝塔・五重塔(重要文化財)--------東京都大田区池上

総門(大田区文化材)

仁王門

此経難持坂(大田区文化財)

大堂

弘安5年(1282年)に61歳で入滅(臨終)した日蓮聖人の霊跡が池上本門寺である。
病気療養のため見延山から常陸の湯に向う途中、武蔵国池上(現大田区池上)で亡くなられたと言われる。

参拝者が最初に通るのが「総門」で、元禄年間(1688〜1704年)に建立された簡素ながら壮大な門である。
その先が加藤清正築造寄進の「此経難持坂」96段の石積参道で、慶長年間(1596〜1615年)に造られた。
石段を登りきると豪壮な「仁王門」、「大堂」を拝するが、共に戦火で消失したものを昭和39年に「大堂」、昭和52年に「仁王門」を再建したものである。

・・・・・・・・・・宝塔(重要文化財)・・・・・・・・・・

文政11年(1828年)に建立された木造の法塔で「日蓮聖人御荼毘所」として、本門寺の重要な浄域となっている。

高さ17.5m、基台と蓮華座は石造。荘厳化を計る彫刻や彩色も見事で、意匠的に高い価値があることから、平成22年(2010年)に重要文化財に指定された。

・・・・・・・・・・五重塔(重要文化財)・・・・・・・・・・

近世以前に建立された五重塔は関東に4カ所ある。年代の旧い順に観ると、「本門寺五重塔、東京都大田区、1607年建立、29.25m」、「法華経寺五重塔、千葉県市川市、1622年建立、30.78m」「旧寛永寺五重塔、東京都台東区、1639年建立、32.26m」「日光東照宮五重塔、1818年建立、34,46m」となり、池上本門寺が一番旧く桃山期最後に建立された唯一の五重塔と言われている。

初層だけを和様として二層以上を唐様にし、上層への低減率が少ないなど、江戸建築確立する前の過度機の建立であった特色が色濃く文化遺産的価値が高い。
明治44年(1911年)に重要文化財に指定されている。