農薬・ダイオキシンとエストロゲン
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3.今後の生活と対策
 
エジンバラ医学研究所 R・シャープの発言
「この問題は疑わしい化学物質をすべて禁止すればいいという単純
なものではありません。問題の化学物質は、現代の日常生活に欠か
すことのできない多種多様な製品に使用されているのです。これら
の物質をすべて排除するということは、生活様式を根底から変えな
くてはならないということなのです。」
この問題の規模は想像を超えるものです。世界経済のかなりの部
分が、化学工業やそこから派生した製品によって支えられているか
らです。だからといって、社会全体が変わらなければどうすること
もできないといって、手をこまねいてしまうのでしょうか。この問
題で、わたしたちが実行できる自衛策はあるのでしょうか。
農薬は除草剤にしろ、塩化ベンゼン核をもつ農薬や有機塩素系農
薬は、容器などに入っていればそれと判ってごみとして捨てないよ
うにしたり、今後は使わないようにすることもできます。けれど、
問題は塩化ビニール類や残飯中の塩分です。塩化ビニールを燃やさ
ないといっても、他のポリエチレンなどと区別がつかないことが多
いのです。実際、どの製品のどの部分に塩化ビニール類が使われて
いるとか、この製品は塩化ビニール類以外の物質が使われていると
いった知識を持つことも必要でしょう。
それでも、ビニール類の分類は完全にはできないでしょう。
 そこでとりあえずの対策として、「塩化ビニール製のものは買わ
ない。塩化ビニールを包装などに使わない。塩化ビニール製のもの
は店に置かない。塩化ビニールを使わないですむものは別のものに
変える」などを自分から実行して、できるかぎり塩化ビニール類の
ものをゴミとして出さないようにすることはできます。
 また生ゴミを堆肥にすることで、残飯中の塩分は除けます。
 
環境ホルモン類似物質ならびに製品名
 
BHC 酸化防止剤 農薬登録1949.2.24 失効1971.12.30
DDT 殺虫剤 農薬登録1948.9.27 失効1971.5.1
DDE DDTが分解してできる
       なお、DDTの代謝物にはDDDもある。
DES 合成環境ホルモン
PCB
エンドスルファン  殺虫剤
クロルデコン      殺虫剤 日本では農薬登録されていない。
ケルセン           殺虫剤 農薬登録1948.9.27 有機塩素系の薬剤
                          果樹、茶、野菜、花卉のハダニ類に適用。
                          商品名 ケルセン。複合剤 ダブル。
ディルドリン       殺虫剤・家庭用殺虫剤・しろあり駆除剤。
                           農薬登録1954.6.3 失効1973.8.7
トキサフェン    殺虫剤
フェニルフェノール 果実・野菜の防腐剤
ヘプタクロル    殺虫剤
メトキシクロル   殺虫剤
ノニルフェノール プラスチック産業で酸化防止剤として使用
されている。洗剤や避妊用の殺精子剤にも使われている。
 1・あたりわずか50マイクロ・の濃度のノニルフェノールを加え
た水の中に、正常な魚を入れると川に魚を放置した時と同じ現象が
起こり、雄の魚が大量の卵黄たんぱく質を生成しました。
ビスフェノールA 缶詰の内側にコーティングされているプラ
スチックに含まれていて、缶詰の中身に容易に溶けだしている。
 子供の歯を虫歯から守るために使われるシーラントや虫歯の詰め
物に使われる白い樹脂にもビスフェノールAがあり、これらの樹脂
からビスフェノールAが溶けだしている。
フタル酸エステル 多くの食品の包装材に使われ、脂肪分の多
い食品に溶けだしている。
 
ダイオキシンを含む農薬の用途ならびに製品名
 
2.4−PA(2,4-D)  
除草剤・植物成長調整剤 家庭用除草剤の主流。
アメリカレモン から0.01〜0.21ppm規制はなく販売は自由 
 商品名 ローンキープ、2,4-D 、2,4-D アミン塩、2,4-D ソーダ塩。
 複合剤 カット,クイットリー,クサダウン,クサノン,クサノンS,クサブランカー,グラスジン D,ゲルパーKX
ジョソー,ジョソール,シントークサトリ, スタッカー D,スリーケー,ゼスト,テーゲル,バラン,
ファインタックス A,ブラスコン,ブラスコン R,プリマトール AD,フルキラー,ミカロック,
登録されていないものにラベージP 。
2.4.5−T  除草剤・植物成長調整剤
 日本では林野庁が68〜70年にかけ国有林で2.4.5-T系除草剤を散
布した。使用禁止後、林野庁は在庫品を土中に埋設するズサンな処
理で2.3.7.8-四塩化ダイオキシンの土壌汚染が各地で確認されている。
 商品名 ウィードン2、2.4.5-T。
 2.4-PAとの複合剤 ウィードンプラシキラー、プラシキラー。
スルファミン酸・硫酸アンモニウム複塩との複合剤 イクリンエイト、ブラッ
シュパンがあった。
CNP (MO)   除草剤。田植え前後に、湛水状態で水田に
施用し、ノビエ、カヤツリグサなどの一年生雑草に適用される。人
参・大根・白菜などの畑で種を播いた後土壌に撒かれている。
 商品名 エムオン、MOなど。
 複合剤 オードラムM、サターンM、ショウロンM、ハイカット
などの製品がある。
MCP(MCPA)  除草剤。フェノキン系の薬剤。茎葉処
理によって、広葉雑草を枯らす。水田では田植え後20〜40日後に施
用される。トウモロコシ、麦、ジャガイモ畑や芝畑、造林地、非農
耕地でも使われる。
 商品名 アリルMCP、ヤマクリーンM、MCP、MCPソーダ塩。
 複合剤 グラスジンM、タカノック、トレモリン、パムコン、
     ポミカルDM、ヤマクリーンA、ヤマクリーンD、
     林地用ファインナップ。
NIP  除草剤。田植え前後に水田に施用し、ノビエなどを
枯らすのに使用。野菜畑や造林苗畑では、種を播いて土で覆った後
土壌に撒いて一年生雑草の発生を抑えるのに使われた。
商品名 ニップ。MCPとの複合剤 クサカット。
PCB(カネクロール)  熱媒・トランス油・ノーカーボン紙などに
使用されたが、現在は使用されていない。
PCP  塩化フェノール系の薬剤。殺菌剤、除草剤、シロアリ駆
除剤、木材防腐剤、工業用殺菌剤、工業用防カビ剤として使用。
 殺菌剤 アビトン、タロン、トモクロン。
除草剤 PCP、畑作用PCP。
 複合剤 パムコン。木材処理剤・シロアリ駆除剤にキシラモン、
 クロルデンとの複合剤としてアリノン、サンプレザ−O、ニッサ
ンアリサニタPなどがあった。
クロメトキシニル(X-52)   除草剤。水田のノエビやマツバ
イに適用され、田植え前後に湛水状態で水田に散布されている。
商品名 エックスゴーニ。
トリクロサン(イルガサンDP-300)  ジフェニルエーテル系の薬剤。
工業用殺菌剤、薬用石鹸(花王キンダーソープ.花王ハーネス. クリンガード薬用石鹸
) 、化粧品への添加、衣料品(ノンスタック、サニタイズ)やマスクへの抗菌処
理の他、いろいろな工業製品に添加されている。
商品名 イルガサン DP-300。
ヘキサクロロフェン  殺菌剤、動物薬、消毒用殺菌剤、薬用
石けん、化粧品、ベビーパウダー などに添加される。
 厚生省72.3規制 浴用剤やてんか粉(ベビーパウダー) に原則認めていな
い。やむおえず混入する場合には0.1%以下とする。
 現在では、薬事法で一般販売用医薬品や医薬部外品には使用され
ていない。しかし、化粧品類には、含有表示義務はあるが使用は禁
止されていないし、病院や医院などの医療機関では、消毒殺菌剤と
して需要がある。
ヘキサクロロフェン はG−11という名称で、薬用ミューズ石鹸などに添加
されたことがある。医療用薬剤としてファイゾヘックスがある。
ヘキサクロロベンゼン(HCB)
 工業用に、除草剤PCP製造原料、ゴムの素練促進剤、衣料の防
炎加工剤、ポリ塩化ビニールの可塑剤として使用されたが、1979年
に化学物質の審査及び製造等の規制に関する法律により「特定化学
物質」に指定され、製造・販売・使用が禁止された。
 商品名 化学品の名称としてHCB、パークロロペンゼン。

環境ホルモンの追跡に関しては、まだまだこれだけでは不充分で
す。がん細胞の増殖ができる方で、この分野に関心のある方は、ぜ
ひ協力して調査を進めませんか。試験材料を手に入れることは、わ
たしたち素人でも可能です。

工夫したい生活上の注意
 
 タフツ大学での検査 ヨーロッパ5か国・20銘柄の缶詰のおよそ
70%の中身に、環境ホルモン類似物質であるビスフェノールAが解
けだしていた。グリンピースやインゲンの缶詰でよく検出され、ほ
かの野菜の缶詰でも検出されたそうです。そして、ほとんどの缶詰
の中身が、乳がん細胞を増殖させました。これは、缶詰の中身に溶
けだした物質が環境ホルモンと同じ働きをしている証です。
 日本のメーカーが他の国のメーカーと違うことをやっているとも
思えませんが、日本では果してどうなのか確かめる必要はあるでし
ょう。どんな影響もないことが確認されて、始めて安全だといえる
ので、それまでは安全だと思わない方がよいでしょう。
 また、清涼飲料水の缶ではどうなっているのでしょうか。ぜひ調
査する必要があります。がんの組織培養に携わっている人で、関心
のある方は、この点について、ぜひ検査をしてみてください。そし
て、その結果を公表して、教えていただければ幸いです。
 ブルーネル大学のJ・サンプター氏は語っています。
「例えば牛乳を買う場合を考えてみましょう。プラスチック容器の
ものはフタル酸エステルが溶けだしているかもしれないからと、ガ
ラスビン入りの牛乳を選んだとします。でも牛乳ビンは洗剤で洗浄
されています。その洗剤に環境ホルモン類似物質が含まれているか
もしれません。同様にビスフェノールAが缶詰の野菜に溶けだして
いる可能性を心配して、生野菜を買うことにしたとします。でも生
野菜にも環境ホルモン類似物質の殺虫剤や除草剤が使われているか
もしれないのです。このように環境ホルモン類似物質はわたしたち
の身近なところで、幅広く使用されています。ですから現時点で自
衛策のアドバイスをするのは非常に難しい。」と。
 イギリス農業省のフタル酸エステルの影響調査によって、フタル
酸エステルは多くの食品の包装材に使われていて、脂肪分の多い食
品に溶けだしていることが判りました。ポテトチップスやパイやチ
ョコレートなど、ほとんどの乳製品に溶けだしているのです。その
調査ではいくつかの乳製品に非常に高い数値が出ています。ねずみ
の精巣に影響を及ぼした数字を見ると、危機感を覚える数値だそう
です。
 世界自然保護基金 G・ライアン氏は指摘しています。
 朝食のトーストと夕食のベークドポテトにバターを使い、パック
に入れられたサンドイッチを食べ、ラップに包まれたパイを食べる
という食生活を続けていると、かなりの量のフタル酸エステルを摂
取してしまうそうです。それはねずみの精巣を縮小させたのと同じ
レベルの量だそうです。
 日本の洋菓子メーカーが使用しているケーキを取り巻くプラスチ
ックはどうでしょう。塩化ビニールが使われていないでしょうか。
それとも、このプラスチックからフタル酸エステルが溶けだしてい
ないでしょうか。わたしは、これまで、何も考えずに、プラスチッ
クに付着した生クリームなどをなめていましたが、これからは、安
全が確認できるまで、プラスチックで周りを包装したケーキを買う
のも、食べるのも止めようと考えています。
 また、塩化ビニールを燃やさないまでも、ビニール袋入りの冷凍
食品やラップに包まれた食品をそのまま電子レンジに入れて温める
人は多いと思います。これも注意を要することだと思います。
 ラップ類の中には、塩化ビニール類を素材に造られているものも
多く、旭化成のサランラップ(ポリ塩化ビニリデン)・呉羽化学の
クレラップを燃やすと、ダイオキシンの発生源になります。
 また、ラップ類に酸化防止剤のフタル酸エステルが使用されてい
たりすれば、脂肪分の多い食品に溶けやすい性質を考えると、油や
熱を加えた時にも溶けだすことは充分考えられます。
 そうであれば、ビニールやラップをレンジで加熱した時、フタル
酸エステルなどの環境ホルモンが食品にしみだして、わたしたちは
食品とともに環境ホルモンを食べてしまうことになります。
 またレンジの加熱で、ビニールやラップの成分の一部がダイオキ
シンなどに変化しないとも限らないと考えるのは、わたしの考えす
ぎでしょうか。食品をレンジで加熱する時は、ガラスや陶磁器の器
に入れ換えて、ふたにレンジ用の合成樹脂のふたを使うのさえ、確
実な安全性が確認されるまで避けた方がよいと思います。
 海に囲まれて暮らす私たち日本人の多くが、とりわけ漁師の多く
が、海を好意的に迎え入れ、「海が好きだ、海を愛している」と強
い感情を持ちつつ、「最近は魚が減っている」と嘆いているのを耳
にします。でも、そういう人の中に、煙草の吸殻を海に投げ捨てる
情景を目の当たりにすると、わたしは密かに心の中でその人に対す
る幻滅と危惧を感じてしまいます。
 ところで、わたしは煙草をたしなまないので知りませんが、煙草
のフィルターに使われている材質が塩化ビニールでなければよいの
ですがどうなのでしょう。もし、塩化ビニールであれば、フィルタ
ーを通して吸う煙の中にダイオキシンや環境ホルモンが溶けだして
いないとも限りません。それを、当人が吸うだけでしたら、本人の
健康問題以外に問題は起きないでしょう。しかし、これを海に捨て
て、もし、その合成樹脂から環境ホルモンが僅かでも溶けだしてし
まうとしたらどうでしょう。
 実際にはわたしの危惧は空振りで、環境汚染をもたらす化学物質
がしみ出ることは煙草にはないのかもしれません。わたしも、そう
であることを願ってはいますが、確かめる必要はあります。
 例え、煙草から環境汚染をもたらす化学物質がしみ出ていないく
ても、現実には合成洗剤を使うことで、日々、環境汚染をもたらす
化学物質を、自分の住まいから海に向けて平気で垂れ流しているこ
とになっているのではないでしょうか。日本では圧倒的に合成洗剤
を使う人が多いのですから、知らずに環境ホルモンになるノニルフ
ェノールを原料にした洗剤を使っていないとも限らないのです。
 海が好きで、魚が好きで、近海の魚など海の恵みが近年減ってい
ることを嘆いているあなたが、もしこのノニルフェノールを原料に
した合成洗剤を使っているとしたらどうでしょう。あなたは、自分
の首を自分でしめていることになりませんか。川の魚の減少をなげ
く人にもまったく同じことが言えます。
 例え排水の下水処理をしても、これらの化学物質はほとんど分解
されず、時には、排水に含まれるたんぱく質(アミノ酸)と結合し
て、分解されにくい毒性の強い物質に変化して、川から海へと流れ
込んでいるのです。
 また、貝殻などの付着防止を理由に、網に染み込ませる薬品や漁
船に塗る塗料に混ざっている薬品に、ダイオキシンを含んでいたり
環境ホルモンの作用をもつものが使われている可能性がありますが
どうなのでしょう。ぜひ漁師の方は確かめてください。
 また、船の塗料に混ぜられているすずの化合物が、貝類に影響を
与え、多くの貝が雄化している群が日本各地の湾内で発見されてい
ることを、テレビで報道していたと、友人の遠藤滋さんが教えてく
れました。わたしは知らなかったのですが、もし、このような塗料
を漁師のみなさんが、今後も使いつづけるようでしたら、海の魚が
減ったことをなげく資格も、海の恵みをえる資格も失ってしまうと
思うのですが、どうなのでしょう。
 海の魚が減っているという魚の行く末に関心がなくても、夏にな
ると、海水浴に行く若者は多いことでしょう。彼らは、一年をかけ
て自分の部屋から合成洗剤を垂れ流して、洗剤から出た環境ホルモ
ンでよどむ海に泳ぎに行き、自分から進んで環境ホルモンを浴び、
時には海水とともに自分の口からこの環境ホルモンを飲み込んでい
るのです。
 あなたの体に入り込んだこの環境ホルモン、あなたの脂肪組織に
蓄積されて、いつの日か暴走する時を待っているのです。
 それ以上にわたしたちは、環境ホルモンを毎日飲んでいると言え
ないでしょうか。1983年〜1984年に採取された北海道・東京・愛知
・新潟・大阪・福岡の水道水の検査データでは、すべての水道水か
ら農薬CNPが検出されている状態ですから、日本全国どこの都市
や山奥の部落に行っても、毎日飲む水道水だけでなく、天然水の中
にも農薬入りでない水にお目にかかることはまずないと考えていい
でしょう。何しろこの検査は農薬CNPのみの検査で、他の農薬や
ダイオキシン・環境ホルモンの検査はしていないので、検査をすれ
ば何が出てくるか判りません。
 自分がこれまでに充分環境ホルモン漬けになっているなと感じて
いる人、くれぐれも今後の健康に気をつけてほしいと思います。
こんなに状況ですから、これで子宮体ガン・乳がん・大腸ガンな
ど腺ガン系のガンにかからずにすむとしたら、よほどあなたは運が
いいのだと思って間違いないでしょう。でも、この先、いい運だけ
で、この難局をどれだけやり過ごせるものでしょう。幸運を願って
はいますが、こんな状況になってしまうと、幸運だけにまかせてい
てよいものでしょうか。

製品の調査と化学物質の検査
 
 これでも、まだまだ大丈夫、と言っていられるでしょうか? そ
れとも、もう何をやっても手遅れだとでも思うのでしょうか?
 人間はどうせ死ぬんだと、始めから自分のいのちを捨ててかかっ
て、「知らない」を貫いて生きてしまうのでしょうか?
 これからも「無難に生きたい」と願う人には、もう「知らない」
ではすまない生活環境の中に、わたしたちは知らずに知らされずに
踏み込んでいた、というのがわたしの認識です。
 ドイツでは、市販の消しゴムに塩化ビニールが使われていたので
塩化ビニールを含まない消しゴムに変えるという対応までとったそ
うですが、日本ではどうなのでしょう。利益をあげることだけを考
え、何の考慮もなく生物に影響を与える物質を造ったり、環境に影
響を及ぼす化学物質の情報を公開しない企業や役所も問題ですが、
最後にそういった製品を消費して周りの生活環境にゴミとして捨て
たり、汚水として垂れ流してしまうのは、わたしたち消費者です。
でも、地球はわたしたちのゴミ捨て場ではないはずです。
日本では、塩化ビニールは、水道管=塩ビ管として、広く・深く
家庭で愛用しているものを始め、軟硬質包装資材としても広く見か
けられます。だから不用意に焼却炉で燃やすことのないよう、ゴミ
の分別収集をしている地方の方は、さらに徹底して、燃やすゴミの
中にビニール類をまぜることは止めたほうが良さそうです。
わたしのところでは、台所洗剤にも、合成でない粉石けんを使っ
ています。またケア生活くらぶの農場(伊豆)では、生ゴミは堆肥
にし、トイレの糞尿にEM菌を使い、2週間ほどして固形物がほと
んど液体状になった糞尿をわたしは肥やしにしています。畑などの
土地のある人は、生ゴミだけでも堆肥にしてほしいものです。
今後わたしたちが、どのメーカーのどの製品のどの部分に塩化ビ
ニールが使われているのか、メーカーに問い合わせた時、メーカー
はどう対応し、使われている塩化ビニールを別の材質に変更を要請
したところ、どう対応したのかなど、今後、わたしたちが手分けを
して、調査し、情報を集中して、公開していく作業が必要です。
また環境ホルモンとしての影響を考慮して、どの物質を許容し、
どの物質は使わないようにするのか検討する上で、化学物質による
がん細胞の増殖試験ができる方、またできる方を知っている方はぜ
ひ協力してください。結果的に、ダイオキシンや残留農薬の検査や
環境ホルモンになる化学物質の検査に関して、既存の検査機関が頼
りにならない時は、行政に任せず頼らない独自の検査機関を持つこ
とも視野に入れたいものです。
 最後に、この文章が、今後の生活の中での対策について、考える
キッカケになってくれればと願っています。
 

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