1987.1.3 「障害者生活くらぶ(仮称)」設立の企画書(案)
障害者を軸にした「障害者生活くらぶ」を創り、手はじめに世田谷区内に、地域の人と
いっしょに「障害者生活くらぶ・世田谷の家」を創ろう。
わたしたちの計画
[1] 障害者生活くらぶ・世田谷の家
1.障害者を軸に集まって、みんなでおいしく食べてしまう<祭り>を開く。会員の
出身地の特産・名産を使った産地直送のグルメの会をパーテー形式で開く。海外
出身者を講師に呼んでその出身地の料理を作って食べる会を開き交流する。
2.生活用品の共同購入と販売をする。〔トイレットぺーパー・粉石鹸・その他〕
3.障害者の創った作品の展示・即売のコーナーを設ける。本の販売をする。
4.障害者の一時宿泊や会員への1階フロアーの貸出もする。
5.障害者生活くらぶ実験農場を設け、堆肥による野菜などの栽培をする。場所・世
田谷区内・他に予定。
6.各種リサイクルとバザーをする。〔本・不要衣料・家具・新聞など〕
7.印刷・自費出版の仲介をする。
8.かんたんな修理や工具・台所用品の貸出をする。補助具の開発をする。
9.車イスの貸出をする。
10.「障害者生活くらぶ」として出版・資料の蒐集・研究会をする。
11.障害者の作品展を開く。11月に『いのち』をテーマに「文化展」を開催する。
12.障害者グルメの旅や交流キャンプを企画し、実行する。
13.障害者医療研修を医者・看護婦むけに行ない、カルテの障害者保持を進める。
世田谷の家の概観/
1.『障害者生活くらぶ・世田谷の家』は───に置く。
2.2階建を予定。基礎/棟上げ/屋根工事・水道/ガス/電気工事を除いて、後の工
事には障害者も建設に参加して、『障害者生活くらぶ・世田谷の家』を創る。
3.1階/入口と土間・板のフロアー・中央部の板敷き床下にこんろ・水道・収納部を
置く。地下に収納スペース。障害者向きの洋式・和式トイレ、窓際に椅子式
台、手動エレベーター、階段。ピンク電話を置く。
2階/事務室として障害者関係を中心に本・資料と収納書庫、机、ワープロ、コピ
ー機、録音室、倉庫、宿泊室などを置く。屋根裏を収納室として活用。
障害者と、生活くらぶして、いっしょに、食べたいものをみんなで料理して、おいしく
食べる<祭り>に参加して、あなたも居ながらにしてグルメを楽しみませんか。
そして、障害者をはじめとし、老人・子供のありのままのいのちを肯定(祝福)して生
きあう、いのちのネットワーク創りをはじめよう。
このネットワークの基盤として、動物も植物も含めて、いのちをとことん生かしあう交
流農場を建設して、自分たちの食べ物を、自分たちの手でも創ろう。
そして、わたしたちは、寝たきりの障害者も含めた会員の食べ物の自給をめざした農業
を、自分たちの共通の課題として実現していこう。
この大地(自然)とのかかわりを基礎にして、地域での生活の中に、どんないのちも生
かしあう人の関係を、自分たち自身の手で創っていこう。
あなたも、「障害者生活くらぶ」の会員になって、ありのままのいのちを生かしあう仲
間として、わたしたちといっしょに生きていきませんか。
これからの予定
1.「障害者生活くらぶ」設立する会の設置。この段階から会員の登録を開始し、会員
は会費を納入することで、会員としての資格を認められる。
2.事務局の設置。振替・銀行口座の開設。事務局は、会員に年1回の報告をする。
すべての情報は会員の求めに応じて会員に公開されるものとする。
3.「障害者生活くらぶ・世田谷の家」の建設。土地は借りることとし、建設資金は個
人からの借金でまかなう。運営には行政からの資金の導入をはかる。
4.編集部を設け、『ネットワーク「いのちの共和国」』(仮称)を発行する。
(会員のメッセージ・作品・その他)
5.『障害者交流農場』の土地さがし。
6.『障害者交流農場』や『ケア生活館』建設の基金拠出のよびかけ。
7.「障害者生活くらぶ」の地域の家は、実現性があれば他の地域にも創る。
会員の分担
1.会員は会費として年会費3000円(2年目から2000円)を分担する。
2.会員は会員登録表(家族構成・年齢・血液型・出身地・特技・その他)を出して、
輸血など緊急時に可能な限り仲間の手助けをしたり、特技を登録して、要請に応じ
て発揮する。
3.運営委員会に自由に参加して、生活くらぶの運営や諸々の企画の運営にあたる。
基金について/
1.とりあえず計画のおおすじにおいて賛同する会員から、『世田谷の家』建設資金や
『障害者交流農場』・『ケア生活館』建設の基金として一口○万円を拠出する。基
金を拠出した会員は基金会員として、将来、農場の活用や『ケア生活館』の活用に
優先権を認められる。余裕のある人は何口でも良い。ただし、基金一口の額は、計
画の達成段階に応じて値上げし、後からの会員は、その額の基金を拠出する。
2.学生や経済的分担の困難な障害者についても、できる限り基金の拠出者になる。学
生は、将来、収入を得るようになった時点で基金を拠出すればよい。
3.基金の拠出は、本人の可能な方法(分割など)で決定、実行する。
今後の計画
[2] 計画の第2期『障害者交流農場』の建設
1.農場の建設可能の用地(土地)を手に入れる。広さ、1万坪位。
当初は借地でも良いが、将来的には買い受けることができる土地が良い。
借地の場合は30年は借りられるものとする。
2.水の確保(井戸を掘る)、地質調査をする。
3.農場の建物『簡易宿泊棟』(10名位がとりあえず寝泊まりできるもの)、『食堂
・風呂棟』(車イス・寝たきりの生活者でも楽に活用できるもの)、『定住者生
活棟』を創る。
4.農場の部(農場内自給の開始)
放線菌醗酵棟(飼料・肥料の確保/家庭の残飯なども土に返す)、にわとり生活
棟(食糧の確保)を創る。畑(野菜の確保)を創る。(たかうね『1m位』2列
式『横巾3m位』の南北配列を単位として。将来は野菜の成育条件に合わせたう
ねにする。畑の地下に簡易糞尿処理施設を埋設して土に返す。また第2案として
メタンガス醗酵塔を地下に埋設して糞尿を処理する。その他。)
栽培可能な種類の果樹をすべて植える。動物の放牧飼育をする。その他。
[3] 計画の第3期
1.「障害者生活くらぶ」会員への自給を開始する。
2.農場においては、作業棟や各種付属施設『例えば、資料(図書)館、山下菊二記
念障害者美術館や焼物の窯など』を創る。
3.社会福祉法人『障害者生活くらぶ』を設立する。『障害者交流農場』の資産を社
会福祉法人名義にする。
4.社会福祉法人として『ケア生活館』を建設する。
介助を必要とする生活者の介助の内、共有して活用できるもの、例えば、風呂や
調理室などを設ける。「現在の日本の住居の中でお風呂の問題が自分で動けない
人にとっては重大問題になっている。それに対して、共同住宅の中に大きな広い
浴場ひとつ設置することによって、ひとりの障害者のみならず、介助を必要とす
るほかの障害者や老人などそこでの生活者にとってだけでなく、介助を必要とす
る地域の生活者も活用していけることになる。当然、介助を必要としない人にと
っては何の問題もなく活用できる。」
『ケア生活館』には、住居だけでなく、地域に開放される「障害者生活くらぶ」
の集会所、購入部、図書室、交流部(旅行者の受け入れもする)なども必要に応
じて併設する。運営に関しては、社会福祉法人『障害者生活くらぶ』は、法人で
はない地域の各「障害者生活くらぶ」に委託するものとする。
[4] 計画の第4期
1.『ケア生活館』のネットワーク創り。
2.『障害者交流農場』のネットワーク創り。
3.その他、必要に応じて、さまざまな生活用品の開発・自給システムも創る。
会員の特典/
1.「障害者生活くらぶ」のあらゆる催しに参加したい時に参加できる。
2.「障害者生活くらぶ」の運営に参加する。
3.「障害者生活くらぶ」での交流を通して、地域に帰ってからも介助の必要な会員
と、いのちを生かしあうネットワークを創る。
4.『障害者生活くらぶ実験農場』や『障害者交流農場』の建設と運営に参加する。
5.安い運営費を負担して家族やグループでキャンプなど1年を通して『障害者交流
農場』を活用することができる。
6.農場に行って、自分のやりたいことをやる。(例えば、食べたい作物を育てる。
育てたい植物を植える。農場の作物を食べる。焼物創り・染物・織物・その他の
生活用具創りの設備を使って作品を創り、自分や障害者の生活に還元する。)
7.なるべく会員は、会員の家庭で出た野菜くず・残飯・落葉など土に返せるあらゆ
るものを実験農場や交流農場の土に返すこともする。
8.農場に介助の必要な人(障害者・老人)がいる時は優先して介助に参加する。
(会員はこの介助を通していのちを生かしあう直接の関係を持つ。)
9.将来は、山下菊二記念障害者美術館として、『いのち』展(絵画など作品展)を
開催し、会員は運営に参加できる。『いのち』展は(毎年)11月1日から11月23
日(山下菊二さん命日)にかけて(予定)開催する。
10.介助を必要とする人の生活を基本にした『ケア生活館(共同住宅)』の建設に参
加する。
11.介助が必要になった時、会員は、希望によって『ケア生活館』での介助を受けら
れるようにする。
12.更に希望すればこの『ケア生活館』に家族で居住することも認められる。
13.『ケア生活館』のネットワーク創りに参加できる。
『障害者生活くらぶ』
発起人 遠藤 滋・白砂 巌