54年の歳月を待たず逝った妹 2008.2.4〜14
私たち姉弟妹(きょうだい)三人は
生まれてくる君を前にして
男の子がいい女の子だよと言い合い
母を訪ねた産院で生まれたのは
女の子よと教えられた私が
男の子が生まれたとついた嘘が
嘘に見えない赤ん坊だった君
思えば君は食べ残したケーキを
だいじにタンスの自分の引出しに
こっそり隠してカビらせたことも
あったような幼い少女時代
会社勤めをするようになっても
貰った給料の額さえ秘密にしてた
不思議な性格の持ち主だった
何かあったら助けられないかも
それでもいいと私と出掛けた九州
前原(まえばる)から唐津
呼子で年の瀬の壱岐へ渡り
正月の長崎で食べたちゃんぽん
そこから君の旅は始まり
足跡はスイスの山も踏みしめた
15年前の乳ガンの出現に始まった
君への家族の思いと行動が
病を癒すまでの力になれず
ガンとの闘病生活の中で
君が付き合わされた痛みは
傷ついていくいのちの悲鳴
私たちの前で黙って耐えていた
こんなに早い君との別れに
ひとつやふたつではなかった
君の人生に及ぼした私の言動
それが君にとってほんとうに
良かったのか悪かったのか
いまは知るよしもないけれど
愚痴を聞かなかったのは私の救い
記憶のかけらをたどれば
そこには今も君がいる