「手の活動をイメージしながら教材や活動の特徴と可能性について考えてみませんか」

東京都肢体不自由教育研究会「運動学実習とその研究」部会
秋季協議会の内容です。担当は府中養護学校の
作業療法士 波多野裕子先生です。

2002年11月

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@秋季研究部会の内容

これまでに3回「手の機能」について毎年取り上げてきた(機能解剖的な面を中心に)が、今回は「教材・活動」の面からほりさげて上肢についての知識を深めあった。

こども達の手の状態を表現するとき、運動面に焦点をあてた記述からは問題の所在や状況が伝わるものの、その問題の重要性についてふみこんだ洞察が伝わりにくい。これに対し学校空間の中での動作環境にポイントをおいた視点(評価)を試みるようにし、全体的なところから考えていく必要を日々感じている。「手の機能」と「意味ある活動」を結びつけていく知恵をだせるよう、そのための準拠する枠組みの一つとして運動学を活用していきたいと感じる。7〜8人の児童達を例に上肢の運動障害を生活全体のトータルな視点からとらえ、それぞれに異なる背景を感じならの分析を試みた。

A  文化祭の記録ビデオから
(02、11,9 府中養護訓練室)

文化祭の展示発表として、府中・自立活動部では「遊びのひろば」をテーマに 2日間訓練室を遊び環境につくりかえ、児童生徒達が自分に合った物やおもちゃと出会う空間を創った。その映像をみばがら、障害をもつこども達の遊びやきょうだい児童達の活発に遊ぶ姿を観察し考えてみた。

(特に6ヶ月の乳幼児の腹臥位で遊ぶ場面には運動発達の段階と「目と手の協調」の発達を皆でおさえることができた。)場の力もあって、こども達には共通して能動的に楽しむ姿がみられたが、健常児の遊びがどう広がっていくか・障害をもつ児童の遊びにくさは?なども考えさせられた。

B   手のはたらきと各々の機能の関係性

手の役割として、「物を操作する・体を支える・体を移動させる・身を守る・バランスをとる・感じ探し触り分ける意志や気持ちを表す」がある。関っている子ども達はどのようにしているだろうか。

また私たちは座った姿勢が不安定になると手の使い方はどう変わるだろうか。

C   ケースを通し、手の使いづらさの背景を考える

 児童の特徴をトータルにとらえ、全体像と部分像を見ていきながら運動面と認知面そして心理面が関って日々成長している様子の報告を行った。

運動障害があると、限られた方法でしか物に向かうことができず、操作の多様性は得られにくくなる。そういった状況を引き起こす要因として、背景となる姿勢運動の問題とリーチ・グラスプ、操作、はなす、ピンチといった基本的操作機能の難しさが上がる。しかし、手の使いづらい状況について個々の児童の実態についてもう少し個別に掘り下げて考えていくことの必要性があるのではないか。ファンクション的なものだけでは解決できず、日常的にどうしているか(周囲の環境や物人をどう感じてる?)を探り考えることの大事さを感じた。児童との授業(自立活動)では、「課題設定」(認識的に合ったわかりやすい課題)・「姿勢環境」「環境設定」(教材提示。集中しやすい場)「運動」に配慮し、又「手の活動の難しさがあることによってどんな認知・認識がはばまれているか」考えていくことも当然大事なことである。

D   参加者の意見・感想

「平常授業の中に自立活動での試みをどういかしているか」「どのような時間の使い方を?」「担任と自立活動教諭との連携のしかたは?」について各校で報告をしあった。また、「重度の児童がこんな風に手をつかってくれた!」うれしい報告や「試行錯誤のすすめ」「長期的な指導をふりかえっての示唆」など、現在抱えている自分達の課題をふりかえりながら情報交換が積極的に進められた。

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