株式会社の簿記(その1) 簿記2級獲得に向けて再度チャレンジ
復習:仕訳伝票と3伝票製
*復習:仕訳伝票と3伝票製
仕訳伝票と入金・出金・振替の3伝票の記入法、仕訳集計表の作成、総勘定元帳への転記
(1)証票と伝票
・帳簿への記入は、取引の事実を証明する資料に基づいて行う。これらの取引の事実を証明する資料を
証票と云う。(証票は証拠書類として必ず保管しなければならない)
・証票をそのまま帳簿代わりに用いる事が出来るが、形式や大きさが異なる為、一定の形式を印刷した
紙片に取引の内容を記入した物を帳簿として用いる事が多い。 この紙片を伝票と云う。
伝票に記入する事を起票と云う。
(起票) (転記)
取引−−>証票−−−>伝票−−−>総勘定元帳
|−−>補助簿
(2)仕訳伝票
・取引の内容を普通の仕訳の形式で記入する伝票を仕訳伝票と云う。
仕訳伝票は1取引毎に1枚を起票し、この伝票から総勘定元帳や補助簿に転記する。
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仕訳伝票 No10
平成13年1月1日
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勘定科目 |元丁|借 方 |勘定科目 |元丁|貸 方
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現金 | 1| 50000|売上 |21| 175000
売掛金 | 4| 125000| / | |
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/ | | | / | |
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合計 | | 175000|合計 | | 175000
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摘要|M商店 A商品500個@350 小切手#025受取
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(3)3伝票制
・取引を入金・出金とそれ以外の三つに分けて、入金取引は入金伝票に、出金取引は出金伝票に、それ以外の
取引は振替伝票に記入する。 この方法を3伝票制と云う。
@入金伝票
・入金取引は、全て借方科目が「現金」と成るので、入金伝表には「現金」の科目を省略して、科目欄に
相手勘定科目(貸方科目)と金額欄に入金額を記入する。
入金取引で、貸方科目が二つ以上に成る場合は、貸方科目の1科目毎に入金伝票を起票する。
・伝票の種類を色で区別出来る様にする為、入金伝票は普通赤色で印刷されている。
(例) 借方:現金 200,000 / 貸方:売掛金 200,000
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入金伝表 No15
平成13年1月1日
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科目|売掛金 |入金先| K商店
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摘 要 | 金 額
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12月分掛売代金 | 200000
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/ |
/ |
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合 計 | 200000
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A出金伝票
・出金取引は、全て貸方科目が「現金」と成る為、出金伝票には「現金」の科目を省略して、科目欄に
相手勘定科目(借方科目)と金額欄に出金額を記入する。 出金伝票は普通青色で印刷されている。
(例) 借方:通信費 3,000 / 貸方:現金 3,000
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出金伝票 No10
平成13年1月1日
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科目|通信費 |支払先|東京郵便局
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摘 要 | 金 額
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郵便切手代 | 3000
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/ |
/ |
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合 計 | 3000
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B振替伝票
・入金取引、出金取引以外の取引に付いては、振替伝票を起票する。
振替伝票への記入の仕方は、仕訳伝票と同様にする。 振替伝票は普通黒色で印刷されている。
振替伝票には、伝票の中心にミシン線を入れ、借方票(借方勘定)と貸方票(貸方勘定)に切離す事が
出来る伝票も有る。(振替伝票の整理、集計を効率的にする為)
(例) 借方:仕入 250,000 / 貸方:買掛金 250,000
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振替伝票(借方)No21 | 振替伝票(貸方)No21
平成13年1月1日 | 平成13年1月1日
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勘 定 科 目 | 金 額 | 勘 定 科 目 | 金 額
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仕入 |250000 | 買掛金 | 250000
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/ | | / |
/ | | / |
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合 計 |250000 | 合 計 | 250000
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摘要|S商店B製品1000個 | 摘要|S商店B製品1000個
|@250 掛け | |@250 掛け
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・取引の中には、一つの取引で入金・出金とそれ以外の取引が同時に含まれている場合がある。
この場合は、現金取引とそれ以外に分けて別々に伝票を起票する。
(例) 借方:仕入 20,000 / 貸方:現金 20,000
仕入 140,000 / 貸方:買掛金 140,000
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出金伝票 No16
平成13年1月1日
(仕 入) 20000
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借方振替伝票 No21 | 貸方振替伝票 No21
平成13年1月1日 | 平成13年1月1日
(仕 入) 140000 | (買 掛 金) 140000
| N商店
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・一部振替取引を上記の様に記入すると、仕入勘定が2枚の伝票に分割される為、照合等の時に不便な場合が有る。
この為、この様な取引では、一旦全額を現金取引以外(この場合は買掛金)の取引として振替伝票を起票して、
同時に入金または出金取引が有ったものとして入金伝票または出金伝票を起票する方法が一般的である。
(例) 借方:仕入 160,000 / 貸方:買掛金 160,000
借方:買掛金 140,000 / 貸方:現金 20,000
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借方振替伝票 No21 | 貸方振替伝票 No21
平成13年1月1日 | 平成13年1月1日
(仕 入) 160000 | (買 掛 金) 160000
| N商店
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出金伝票 No16
平成13年1月1日
(買 掛 金) 20000
N商店
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・現金取引を含まない場合であっても、借方・貸方の一方または両方に二つ以上の科目が生じる場合は、1伝票に
付き、借方・貸方の科目が1科目ずつに成る様に起票する。この方法を一科目一葉主義と云う。
(例) 借方:当座預金 50,000 / 貸方:売上 150,000
売掛金 100,000
↓ (一旦全て売掛金計上し、同時に売掛金回収を計上する)
借方:売掛金 150,000 / 貸方:売上 150,000
借方:当座預金 50,000 / 貸方:売掛金 50,000
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借方振替伝票 No24 | 貸方振替伝票 No24
平成13年1月1日 | 平成13年1月1日
(売 掛 金) 150000 | (売 上) 150000
K商店 |
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借方振替伝票 No25 | 貸方振替伝票 No25
平成13年1月1日 | 平成13年1月1日
(当座預金) 50000 | (売 掛 金) 50000
| K商店
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(4)伝票の集計と転記
・入金、出金、振替の3伝票を用いる場合の総勘定元帳への転記は、1枚ずつ転記する。 これを個別転記と云う。
・伝票枚数が多い時は、転記の手間が増えて効率が悪くなる。 そこで、毎日或いは1週間とか10日毎に伝票を
纏めて、各勘定科目毎に金額を集計して仕訳集計表を作成する。 この仕訳集計表の勘定科目毎の合計金額を
総勘定元帳に転記する。 これを合計転記と云う。
取引 −−−>入金取引−−>入金伝票−−−−>仕訳集計表−−>総勘定元帳
|−−>出金取引−−>出金伝票−−−>|(合計転記)
|それ以外の取引−−>振替伝票−−−>|
|
|−−−−−−−−−−−−−>補助簿
補助簿には各伝票から転記
・仕訳集計表の作成と元帳への転記の手続き
@入金伝票の金額を合計し、合計額を仕訳集計表の現金勘定の借方に記入する。
A出金伝票の金額を合計し、合計額を仕訳集計表の現金勘定の貸方に記入する。
B出金伝票の金額と振替伝票の借方票金額を勘定科目毎に集計し、科目毎の合計額を仕訳集計表の借方に記入する。
(伝票の集計に際して伝票集計票を勘定科目毎に作成し、科目毎の集計金額を仕訳集計表に記入する方法もある)
C入金伝票の金額と振替伝票の貸方金額を勘定科目毎に集計し、科目毎の合計額を仕訳集計表の貸方に記入する。
D@からCまでの記入が完了したならば、仕訳集計表の借方と貸方の各金額を合計して、合計額の一致を確認して
仕訳集計表を締切る。 (借方合計と貸方合計は必ず一致する:貸借平均の原則)
E仕訳集計表から勘定科目毎に総勘定元帳の各勘定口座に合計転記する。
転記の際に、元帳の摘要欄に「仕訳集計表」と記入し、仕丁欄に仕訳集計表の番号を記入する。
仕訳集計表の元丁欄には、勘定口座の番号またはページ数を記入する。
尚、補助簿への記入は、伝票1枚毎に行う。
(例)取引a:振替伝票 借方:売掛金 200,000 貸方:売上 200,000
(M商店)
出金伝票 借方:発送費 6,000
取引b:振替伝票 借方:買掛金 100,000 貸方:支払手形 100,000
(S商店) (約手#10)
取引c:振替伝票 借方:仕入 220,000 貸方:買掛金 220,000
(N商店)
出金伝票 借方:仕入 9,000
(引取費)
取引d:出金伝票 借方:当座預金 180,000
取引e:振替伝票 借方:売掛金 256,000 貸方:売上 256,000
(K商店)
入金伝票 貸方:売掛金 70,000
(K商店)
取引f:振替伝票 借方:未払金 37,000 貸方:当座預金 37,000
(小切手#62)
取引g:振替伝票 借方:買掛金 22,000 貸方:仕入 22,000
(N商店)
取引h:入金伝票 貸方:受取地代 80,000
集計:入金伝票=取引e+h=70,000+80,000=150,000
出金伝票=取引a+c+d=6,000+9,000+180,000=195,000
出金伝票と振替伝票の借方勘定集計:売掛金=取引a+e=200,000+256,000=456,000
買掛金=取引b+g=100,000+22,000=122,000
仕入=取引c+c=220,000+9,000=229,000
発送費=取引a=6,000
当座預金=取引d=180,000
未払金=取引f=37,000
入金伝票と振替伝票の貸方勘定集計:売上=取引a+e=200,000+256,000=456,000
支払手形=取引b=100,000
買掛金=取引c=220,000
売掛金=取引e=70,000
当座預金=取引f=37,000
仕入=取引g=22,000
受取地代=取引h=80,000
仕訳集計表
平成13年1月11日 No1−11
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借 方 |元丁|勘 定 科 目|元丁| 貸 方
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入金伝票 150,000| 1| 現 金 | 1| 195,000 出金伝票
出金+振替借方勘定 180,000| 2| 当座 預金 | 2| 37,000 出金+振替借方勘定
456,000| 4| 売 掛 金 | 4| 70,000
| | 支払 手形 |12| 100,000
122,000|13| 買 掛 金 |13| 220,000
37,000|15| 未 払 金 | |
| | 売 上 |21| 456,000
| | 受取 地代 |27| 80,000
229,000|31| 仕 入 |31| 22,000
6,000|36| 発 送 費 | |
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1,180,000| | | |1,180,000
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総勘定元帳
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現 金 1
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1/11仕訳集計表 150,000 |1/11仕訳集計表 195,000
|
当座預金 2
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1/11仕訳集計表 180,000 |1/11仕訳集計表 37,000
|
売掛金 4
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1/11仕訳集計表 456,000 |1/11仕訳集計表 70,000
|
支払手形 12
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
|1/11仕訳集計表 100,000
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買掛金 13
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1/11仕訳集計表 122,000 |1/11仕訳集計表 220,000
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未払金 15
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1/11仕訳集計表 37,000 |
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売 上 21
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
|1/11仕訳集計表 456,000
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受取地代 27
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
|1/11仕訳集計表 80,000
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仕 入 31
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
1/11仕訳集計表 229,000 |1/11仕訳集計表 22,000
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発送費 36
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1/11仕訳集計表 6,000 |
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