工業簿記の基礎(その1) 第一章 製造企業に於ける簿記
1.製造企業に於ける諸活動
2.工業簿記の内容
3.工業簿記の特色
第二章 原価計算
1.原価計算の目的
2.原価計算の期間
3.原価計算の種類
4.統一原価計算制度
5.原価計算の手順
第三章 原価
1.原価の意味
2.原価の種類
3.原価要素の分類
第四章 工業簿記の勘定構造
1.工業簿記特有の勘定
2.記帳手続の例示
第1章 製造企業に於ける簿記
1.製造業における諸活動
・製造業を営む企業では、先ず資金を調達し、この資金で事業を行うのに必要な建物、機械等の設備や材料を買入れる。
また、従業員を雇い入れて、その労働力に対して賃金、給料等の労務費を支払う。
更に、電力料、水道料等の経費を支払う。
そして、社会に役立つ製品を生産し、これを販売して、資金を回収すると云う過程を繰返す。
・回収される資金には、初めに投入した資金のほかに、利益が含まれていなければならない。
*製造企業の諸活動の過程*
資金 −−> 設 備 −−> 製造 −−>製品 −−> 資金(投下資金+利益)
材 料
労働力
電力等
@ 購入活動:設備、材料、労働力、電力等の購入活動
A 製造活動:製品の製造に関する活動
B 販売活動:製品の販売に関する活動
・この内、購入と販売に関する活動は、企業と外部との間で行われる活動であるから外部活動と云い、
製造活動は、企業の内部で行われる活動であるから内部活動と云う。
2.工業簿記の内容
・製造企業の財産、資本のの増減変化について、その記録と計算を処理する簿記は、「工業簿記」と云う。
・工業簿記は、外部活動のほかに、内部活動についても記録しなければならない。
この内部活動に関する記録、計算を「原価計算」と云う。
・原価計算は、材料、労務費、経費の消費高を計算して、製品の製造に要した費用「製造原価」を算出するものである。
工業簿記では、原価計算を勘定組織と密接に結び付る事が必要と成る。 これを「原価計算制度」と云う。
3.工業簿記の特色
・工業簿記は商業簿記と同様に複式簿記の原理に従うが、原価計算を含む工業簿記の特色は次の通り。
@内部活動に関する多数の勘定科目が設けられる。
A内部活動の記録は、製造活動の進行に従って行われ、それに関する勘定の間で振替記入が度々行われる。
B商業簿記では、給料、減価償却費、支払運賃等は損費として記帳されるが、工業簿記では、これらの費用の内製品の製造の為に
発生したものは、製品の原価を構成する要素となる。
C商業簿記における集合勘定は、損益勘定や残高勘定の様に決算時に設けられるが、工業簿記では、製品の原価を計算する為に、
決算時以外にも集合勘定が多く設けられる。
D工業簿記では、内部活動の記録と計算をする為に、特殊仕訳帳や補助元帳が特に多く用いられ、補助元帳を統制する統制勘定が多い。
第2章 原価計算
1.原価計算の目的
(1)財務諸表を作成する為に必要な資料を与える事
・損益計算書を作成する為に必要な、売上製品の製造原価(売上原価)や、貸借対照表を作成する為に必要な、製品及び仕掛品
(精算の途中にある未完成品)の期末棚卸高は、原価計算を行っていれば、正確に決定する事が出来る。
(2)原価管理に必要な資料を与える事
・原価管理とは、経営活動を行う為に必要な原価について、予め目標を定め、実際の原価が目標を達成する様に官吏する事である。
・原価を計算すれば、自然に製造の為に消費された材料、労務費、経費の消費状況が分かるから、予め設定した目標と比較分析する
事によって、生産能率の上昇または低下を観察する事が出来る。
この様に、原価計算は、原価の管理に役立つ資料を提供する。
(3)売価決定の資料を与える事
・市場価格の無い特定の種類または規格の製品を製造する企業では、製品の売価は、原価計算によって計算された製造原価を
基礎として決定される。
・市場価格の有る製品を製造する企業では、売価は、市場価格に従うから、製造原価を基礎として製品の売価を決定する事は
出来ない。 しかし、売価が原価を充分に償うかどうかを知る為に必要である。
2.原価計算期間
・原価計算制度は、工業簿記の勘定組織と有機的に結び付けた計算であり、一定期間を単位として行われる。
この期間を「原価計算期間」と云う。 1ヶ月を1原価計算期間とするのが普通である。
これに応じて製造企業では、1ヶ月を単位として営業損益の計算を行う事がある。 これを「月次損益計算」と云う。
3.原価計算の種類
・原価計算は、それが適用される製造形態の相違によって、「個別原価計算」と「総合原価計算」とに分けられる。
・個別原価計算とは、種類を異にする製品を個別的に製造する場合に適用される。
同一工場で形状、品質、大きさ、用途等違った様々な製品を次々と製造する製造形態の企業に適用される。
・総合原価計算は、製品を連続大量に製造する場合に適用される。
・個別原価計算の行われる企業では、特定の製品毎に製造指図書(または製造命令書)が発行され、これに基づいて製造が開始される。
製造指図書には連続番号が付けられ、この番号が最後まで製品を代表し、材料を出庫する場合にも、賃金を算定する場合にも、
これが利用される。(この番号を「製造番号」または「製番」と云う)
4.統一原価計算制度
・製造業において行われる原価計算の手続きは、各企業毎にそれぞれの特有の事情に応じて定められるのが普通である。
しかし、企業相互の間で原価を比較するのに、著しく原価計算手続きが異なっていると、弊害や不便がある。
そこで、原価計算手続きの統一が図られ、業界別の統一原価計算制度がこれに当る。
・統一原価計算制度とは、業界別に原価計算の標準的な方式を定め、企業の原価計算手続きを、特定業界内で統一したものである。
5.原価計算の手順
・原価計算に当っては、実際原価計算及び標準原価計算を採用する場合には、3つの手順を踏んで計算を進めて行く。
「費目別原価計算」−−>「部門別原価計算」−−>「製品別原価計算」の順で行う。
・費目別原価計算では、材料費、労務費、経費のそれぞれに付いて原価を計算する。
・部門別原価計算では、各部門(工程)毎に原価を集計・管理する計算段階である。
幾つかの部門を経て製品が製造される場合には、どの部門でどれだけ原価が発生したかを把握する。
・製品別原価計算は、最終的に製品別の製造原価を計算する
注文生産形態では個別原価計算を、大量生産形態では総合原価計算を用いる。
第3章 原価
1.原価の意味
・原価は、製品を製造する為に消費された「財貨」または「用役」(労働力、電力等を云う)を、貨幣価値で表したものである。
この様な原価は、「製造原価」または「工場原価」と云われる。
・原価は、製品を製造する為に必要な財貨または用役の消費であり、貨幣価値で表される。
消費される財貨または用役を、先ず、物量の単位(キログラム、時間、キロワット/時等)で測定し、次にその大きさを貨幣価値で表す。
・原価は製品を製造する為の活動に直接関係ない財貨または用役、例えば、支払利息等の金融上の費用とか、投資の為の費用とか、
予備として保有する建物や機械の費用等は、原価にはならない。
2.原価の種類
(1)実際原価・見積原価・標準原価
・原価は、財貨や用役の消費量と消費価額の算定のし方によって、実際原価、見積原価、標準原価に区分される。
@実際原価
・財貨または用役の実際消費量を計算し、これを実際の取得原価または予定価格に乗じて計算した原価である。
・実際原価は、財務諸表を作成するのに必要な原価である。
A見積原価
・将来における財貨または用役の実際消費量を見積、これを予定価格に乗じて計算した原価である。
・見積原価は、注文引受価格の決定や予算の編成に必要な原価である。
D標準原価
・標準原価は、能率測定の尺度となる様に、科学的な研究に基づいて計算される原価である。
・標準原価は、財貨または用役の科学的な予定消費量と予定価格によって計算した原価である。
・標準原価は、原価管理に必要である。
(2)全部原価・部分原価
・原価は、製品の原価を計算する為に集計する範囲によって、全部原価と部分原価とに区分される。
@全部原価
・全部原価とは、一定の製品について発生する製造原価となるものの全部を集計して、製品の原価としたものである。
A部分原価
・部分原価とは、製造原価となるものの内の一部分だけを集計して、製品の原価としたものである。
3.原価要素の分類
・原価要素とは、製品の原価を構成する部分を云う。 原価要素は、色々の観点から分類する事が出来る。
(1)原価の発生する形態によって、原価要素は材料費、労務費、経費に分類される。
@材料費
・材料費とは、物品の消費によって発生する原価を云い、例えば、素材費、買入部品費、工場消耗品費等。
A労務費
・労務費とは、労働力の消費によって発生する原価を云い、賃金、給料等。
B経費
・経費とは、材料費及び労務費以外の原価要素を云い、減価償却費、賃貸料、保険料、支払電力料、支払運賃、旅費交通費等。
(2)原価を特定製品に対して集計する時の手続きの違いによって、原価要素は直接費と間接費とに分類される。
@直接費
・直接費とは、特定の製品に対して個別的に発生し、特定の製品に直接に集計できる原価要素を云う。
・直接費は更に、直接材料費、直接労務費、直接経費に分類され、これらを集計したものを「製造直接費」または「直接原価」
(素価)と云う。
A間接費
・間接費とは、2種類以上の製品に対して共通的に発生し、特定の製品に直接に集計できない原価要素を云う。
・間接費は更に、間接材料費、間接労務費、間接経費に分類され、これらを集計したものを「製造間接費と云う。
・間接費は、一定の基準によって、各種類の製品に割り掛けなければならない。 この様な計算手続きを「配賦」と云う。
これに対して、直接費を製品へ集計する手続きを「賦課」と云う。
*原価要素の各段階の関係図*
|−−−−−−|−−−−−−−−|
| 利 益 | |
|−−−−−−−−−−−−−| |
|販売費・ | | |
|一般管理費 | | 販 |
|−−−−−|−−−−−−| | |
|製造間接費| | | 売 |
|−−−−−−−−−−−| | | |
|直接経費
| | 製造原価 | 総原価 | 価 |
|−−−−−| | | | |
|直接労務費| 直接原価| | | 格 |
|−−−−−| | | | |
|直接材料費| | | | |
|−−−−−|−−−−−|−−−−−−|−−−−−−|−−−−−−−−|
(3)操業度の増減に応じて変動するかどうかにより原価要素は、固定費と変動費とに分類される。
・操業度とは、一定の生産設備の利用の度合いの事であり、普通は生産量、直接作業時間、機械運転時間等によって示される。
@固定費
・固定費とは、操業度の増減に関わらず、その総額が変化しない原価要素を云い、例えば、固定資産の減価償却費や保険料等。
A変動費
・変動費とは、操業度の増減に応じてその総額が比例的に増減する減価要素を云い、例えば、直接材料費や出来高払いの賃金等。
・操業度との関係による原価の分類は、経営方針の決定並びに経営管理の為原価を利用する場合に必要である。
第4章 工業簿記の勘定構造
1.工業簿記特有の勘定
・総勘定元帳に設けられる諸勘定の内、主要なものについて、記入方法を以下に示す。
(1)材料勘定
・これに属する勘定には、素材、買入部品、工場消耗品等の諸勘定がある。
・これらの勘定の借方にはその買入高を、貸方にはその消費高(材料費の発生高)を記入する。
・貸方記入の内、直接材料費は製造勘定の借方に、間接材料費は製造間接費勘定の借方に振替える。
・材料勘定の残高は、常に借方残高であって、材料の未消費高(在庫高)を示す。
・材料勘定は、資産の勘定であると同時に、材料費の発生高を示す原価要素勘定をも兼ねるものとなる。
材 料
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5/1 前月繰越 60,000|5/31諸口(当月消費高) 34,500
31買掛金 40,000| 31次月繰越 65,500
−−−−−| −−−−−
100,000| 100,000
=====| =====
6/1 前月繰越 65,500|
(2)労務費勘定
・これに属する勘定の借方には賃金、給料等の支払高を、貸方にはその消費高を記入する。
・消費高の内、直接労務費は製造勘定の借方に、間接労務費は製造間接費勘定の借方に振替える。
・この勘定の残高は、普通貸方残高で有って、労務費の未払高を示す。
労務費
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5/25諸口(当月支払高) 37,500|5/1 前月繰越(前月未払高) 10,000
31次月繰越(当月未払高) 6,000|
31諸口(当月消費高) 33,500
−−−−−| −−−−−
43,500| 43,500
=====| =====
|6/1 前月繰越 6,000
(3)経費勘定
・これに属する勘定の借方には経費の支払高または発生高を、貸方にはその消費高を記入する。
・消費高の内、直接経費は製造勘定の借方に、間接経費は製造間接費勘定の借方に振替える。
・この勘定の残高が、借方残高であれば経費の前払高を示し、貸方残高であれば経費の未払高を示す。
経 費
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5/1 前月繰越 15,000|5/31諸口(当月消費高) 51,000
31諸口(当月支払高 48,000|
31次月繰越 12,000
または発生高) −−−−−| −−−−−
63,000| 63,000
=====| =====
6/1 前月繰越
12,000|
(4)製造間接費勘定
・この勘定の借方には間接材料費、間接労務費及び間接経費を、貸方には製造間接費の製品への配賦高を記入する。
・配賦高は製造勘定の借方に振替える。
製造間接費
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5/31材料 4,000|5/31製造 46,000
31労務費 6,000| /
31経費 36,000| /
−−−−−| −−−−−−−−
46,000| 46,000
=====| =====
(5)製造勘定(仕掛品勘定)
・原価要素の全てを集計する勘定で有る。
・この勘定の借方には直接材料費、直接労務費、直接経費、製造間接費配賦高を、貸方には完成品の製造原価を記入する。
・完成品の製造原価は、製品勘定の借方に振替える。
・この勘定の残高は、常に借方残高であり、月末に製造途中の未完成品(仕掛品)の製造原価を示す。
製 造(仕掛品)
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5/1 前月繰越(仕掛品) 23,000|5/31製品(当月完成品) 103,000
31材料 30,000| 31次月繰越(仕掛品) 18,000
31労務費
20,000| /
31経費 2,000| /
31製造間接費 46,000| /
−−−−−| −−−−−−−−−−
121,000| 121,000
=====| =====
6/1 前月繰越 18,000|
(6)製品勘定
・この勘定の貸方には当月完成した製品の製造原価を記入し、貸方にはその月における売上製品の製造原価を記入する。
・売上製品の製造原価は、売上原価勘定の借方に振替える。
・この勘定の残高は、常に借方残高であり、月末における製品の在庫高を示す。
製 品
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5/1 前月繰越 19,000|5/31売上原価(当月売上製品) 94,000
31製造 103,000| 31次月繰越 28,000
−−−−−| −−−−−
122,000| 122,000
=====| =====
6/1 前月繰越 28,000|
(7)売上原価
・この勘定の借方には当月における売上製品の製造原価を記入し、貸方には月次損益勘定への振替高を記入する。
・この勘定には、残高は生じない。 売上原価は損益の勘定で有る。
売上原価
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5/31製品 94,000|5/31月次損益 94,000
=====| =====
(8)月次損益勘定
・この勘定は、月次損益計算を行う為のものであって、その貸方には売上勘定から当月の製品の売上高が振り返られる。
借方には、その月の売上製品の製造原価と、その月の販売費及び一般管理費とが記入される。
・この勘定の残高は、貸方残高であれば営業利益を示し、借方残高であれば営業損失を示す。
・この勘定の残高は、決算時に決算損益勘定に振替えられる。
月次損益
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
5/31売上原価 94,000|5/31売上 154,000
31販売費・ 45,000| /
一般管理費 | /
31決算損益 15,000| /
(当月営業利益) | /
−−−−−| −−−−−−−−−−−
154,000| 154,000
=====| ======
2.記帳手続の例示
(1)基本的な勘定の流れ
材 料 製造(仕掛品) 製 品
−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−− −−−−−−−−−−−−−−−
前月繰越 |直接費消費高 ==
前月繰越 | 前月繰越 |売上製品
−−−−−|−−−−−− | −−−−−−−| −−−−−−|製造原価振替高 ==|
購入高 |間接費消費高 =|
===>直接材料費 | 当月完成 ===> 完成高 |−−−−−−−−−
|
|−−−−−− || −−−−−−−| 振替高 |次月繰越高 |
|販管費消費高
|====>直接労務費 | −−−−−−−−−−−−−−−−
|
|−−−−−−
||| −−−−−−−| =================
=|
|次月繰越 |
||==>直接経費 | |
−−−−−−−−−−−−−| || −−−−−−−|−−−−−−−
| 売上原価
|
|||=> 製造間接費 |次月繰越高 | −−−−−−−−−−−−−−
|
||| −−−−−−−−−−−−−−− |==> 売上製品原価|振替高 ====|
労務費 | |
||=================| |
|
−−−−−−−−−−−−−| |
| | −−−−−−−−−−−−−− |
当月支払高 |前月未払高 | | | 製造間接費 | ==================|
|−−−−−− |
| | −−−−−−−−−−−−−− | |
|直接費消費高=
|===>間接材料費 | | | 月次損益
|−−−−−− | | −−−−−−−| 当月振替高 ==| | −−−−−−−−−−−−−−
|間接費消費高 =|=|=>間接労務費 | |==> 売上原価 |
−−−−− |−−−−−−
| −−−−−−−| |
当月未払高 |販管費消費高
===>間接経費 | −−−−−−|当月 <=
−−−−−−−−−−−−− || −−−−−−−−−−−−−− 販管費 |売上高 |
|| | |
|| −−−−−−| | || | |
======== 当月営業利益| |
経 費
|| 決算損益 | −−−−−−−−−−−− |
−−−−−−−−−−−− ||
−−−−−−−−−−− | ==============|
|| |当月 | |
前月前払高|直接費消費高==== |営業利益 <= |
−−−−−|−−−−−− | −−−−−−−−−−−−
| 売 上
支払高 |間接費消費高 == | −−−−−−−−−−−−
または |−−−−−− |== 振替高 |売上高
発生高 |販管費消費高 |
|−−−−−− |
|当月前払高 −−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−−−−−−−
販売費・一般管理費
−−−−−−−−−−−−−
支払高 |前月未払高
または |−−−−−−
発生高 |販売費
−−−−−−| 一般管理費
当月未払高 | 消費高
−−−−−−−−−−−−−
(2)記帳の例
・O製作所は平成12年4月1日に開業した。
貸借対照表
O製作所 平成12年4月1日
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
資産 | 金 額 |負債・資本 | 金 額
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
当座預金 | 350,000|資本金 | 900,000
材料 | 120,000| /|
備品 | 50,000| / |
機械 | 130,000| / |
建物 | 250,000| / |
|−−−−−
| −−−−−−−−−−−
| 900,000| | 900,000
|=====
| |======
・取引内容
4/1 開業(上記貸借対照表参照)
借方:当座預金 350,000 / 貸方:資本金 900,000
材料 120,000
備品 50,000
機械 130,000
建物 250,000
(元入高)
4/a:材料購入 250,000 (掛買い)
借方:材料 250,000 / 貸方:買掛金 250,000
(材料購入高)
b:材料消費高 直接材料費=230,000、間接材料費=36,000
借方:製造(仕掛品) 230,000 / 貸方:材料 266,000
製造間接費 36,000
(材料消費高)
c:労務費支払高(小切手振り出し)215,000
借方:労務費 215,000 / 貸方:当座預金 215,000
(労務費支払高)
d:労務費消費高 直接労務費=160,000、間接労務費=30,000、販売費及び一般管理費=40,000
借方:製造(仕掛品) 160,000 / 貸方:労務費 230,000
製造間接費 36,000
販管費 40,000
(労務費消費高)
e:経費支払高(小切手振出し)65,000
借方:経費 65,000 / 貸方:当座預金 65,000
(経費支払高)
f:経費消費高 直接経費=1,000、間接経費=24,000、販管費=35,000
借方:製造(仕掛品) 1,000 / 貸方:経費 60,000
製造間接費 24,000
販管費 35,000
(経費消費高)
g:製造間接費配賦高90,000
借方:製造(仕掛品) 90,000 / 貸方:製造間接費 90,000
(製造間接費配賦高)
h:完成品製造原価振替高350,000
借方:製品 350,000 / 貸方:製造(仕掛品) 350,000
(製品完成高)
i:売上原価振替高300,000
借方:売上原価 300,000 / 貸方:製品 300,000
(売上製品製造原価)
j:製品売上高(掛売)430,000
借方:売掛金 430,000 / 貸方:売上 430,000
(製品掛売高)
k:売上高430,000を月次損益に振替
借方:売上 430,000 / 貸方:損益 430,000
(製品売上高を月次損益に振替)
l:売上原価300,000を月次損益に振替
借方:損益 300,000 / 貸方:売上原価 300,000
(売上製品製造原価を月次損益に振替)
m:販管費75,000を月次損益に振替
借方:損益 75,000 / 貸方:販管費 75,000
(販売費・一般管理費を月次損益に振替)
n:営業利益55,000を決算損益に振替
借方:営業利益 55,000 / 貸方:決算損益 55,000
(当月営業利益を決算損益に振替)
*総勘定元帳*
当座預金
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/1資本金 350,000|4/c:労務費 215,000
/ | e:経費 65,000
/ | 30次月繰越 70,000
−−−−−−| −−−−−−
350,000| 350,000
=== =====|=== ======
5/1前月繰越 70,000|
材 料
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/1資本金 120,000|4/b:諸口 266,000
a:買掛金 250,000| 30次月繰越 104,000
−−−−−−| −−−−−−
370,000| 370,000
=== =====|=== ======
5/1前月繰越 104,000|
備 品
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/1資本金 50,000|4/30次月繰越 50,000
=== =====|=== ======
5/1前月繰越 104,000|
機 械
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/1資本金 130,000|4/30次月繰越 130,000
=== =====|=== ======
5/1前月繰越 130,000|
建 物
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/1資本金 250,000|4/30次月繰越 250,000
=== =====|=== ======
5/1前月繰越 250,000|
資本金
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/30次月繰越 900,000|4/1諸口 900,000
=== =====|=== ======
|5/1前月繰越 900,000
買掛金
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/30次月繰越 250,000|4/a:材料 250,000
=== =====|=== ======
|5/1前月繰越 250,000
製造(仕掛品) −−>製造原価計算書作成
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/b:材料 230,000|4/h:製品 350,000
d:労務費 160,000| 30次月繰越 131,000
f:経費 1,000| /
g:製造間接費 90,000| /
−−−−−−| −−−−−−−−−
481,000| 481,000
=== =====|=== ======
5/1前月繰越 131,000|
製造間接費
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/b:材料 36,000|4/g:製造(仕掛品) 90,000
d:労務費 30,000| /
f:経費 24,000| /
−−−−−−| −−−−−−−−−
90,000| 90,000
=== =====|=== ======
労務費
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/c:当座預金 215,000|4/d:諸口 230,000
30次月繰越 15,000| /
−−−−−| −−−−−−−
230,000| 230,000
=== =====|=== ======
|5/1前月繰越 15,000
販売費及び一般管理費
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/d:労務費 40,000|4/m:月次損益 75,000
f:経費
35,000| /
−−−−−−| −−−−−−−−−
74,000| 75,000
=== =====|=== ======
経 費
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/e:当座預金 65,000|4/f:諸口 60,000
/ | 30次月繰越 5,000
−−−−−−| −−−−−−
65,000| 65,000
=== =====|=== ======
5/1前月繰越 5,000|
製 品
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/h:製造 350,000|4/i:売上原価 300,000
/ | 30次月繰越 50,000
−−−−−−| −−−−−−
350,000| 350,000
=== =====|=== ======
5/1前月繰越 50,000|
売上原価
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/i:製品 300,000|4/l:月次損益 300,000
=== =====|=== ======
売掛金
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/j:売上 430,000|4/30次月繰越 430,000
=== =====|=== ======
5/1前月繰越 430,000|
売 上
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/k:月次損益 430,000|4/j:売掛金 430,000
=== =====|=== ======
|
月次損益
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4/l:売上原価 300,000|4/k:売上 430,000
m:販管費 75,000| /
n:決算損益 55,000| /
−−−−−−| −−−−−−−−−
430,000| 430,000
=== =====|=== ======
|
決算損益
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|4/n:月次決算 55,000
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