宝石・貴金属の加工士として、53年間に亘って研鑚を重ねて来ました。
石の選別からデザイン、溶解、彫金、石止め等、全ての作業を一人の手で
仕上げる見事な技は、他の追随を許しません。
また、流行を取り入れながら、身に着ける人のイメージを大切にした作品は、
幅広い支持を得ています。
急速に分業化が進む靴業界の中にあって、高級革靴の製甲師として、
100に近い工程の全てに精通している貴重な存在です。
靴の縫い合わせ部分の糸のラインが、美しく連なって1本にしか見えず、
専門家でも縫い始めの位置が分からないと云われるほどです。
41年間のたゆまぬ努力と工夫が、この技術に結晶しています。
52年間、和裁の道一筋に歩み続け、現在も和裁研究所で、打掛の褄上げ方や、
コートの襟肩の研究等を重ねています。
昭和43年に開設した中村和裁教室では、多くの生徒を育て、東京和裁縫製組合
等でも後進の指導に当る等、長く和裁の振興と和裁技術の継承や発展にも寄与
しています。