経緯と現状


 大学時代は一年次に窪田登(みのる)先生のウェイト・トレーニングの授業を受けたことをきっかけに、四年間を通じてジムやプールに通い、体づくりを意識した生活を送りましたが、社会に出てからはほぼ運動しなくなりました。
 以来十年余り、長年の運動不足がたたってのことと思っていますが、30代半ばから急激に体調が悪くなり、ちょっとした風邪や気候の変化程度のことですぐに高熱を発して10日くらい寝込んだり、走れなくなったり、楽器練習に起因する首と背中の痛みも恒常化し、40代に入ると四十肩も出て右肩がほぼ使えなくなりました。このため一番の趣味であったヴァイオリンは弾けなくなりました。4年前からは腰痛にも悩まされるようになり、一時は坐骨神経痛になって座る姿勢が取れなくなり、日常生活にも支障が出るほどでした、
 こうして、あと3年生きられないと本気で思うような状態がかなり長く続いたので、3年前に一念発起して、ふたたび筋トレに取り組み、体調改善を図ることにしました。
 とはいえ当初は仕事が忙しく、ジムに通う暇はなかったので、自宅で主に腕立てや懸垂などの自重トレーニングと軽めのダンベル運動で少しずつ筋力をつけてゆくというやり方を取りました。当然目に見える効果はなかなか現れませんでしたが、2年過ぎて昨年初頭から腰痛はほぼ治まりました。また、そのころあたりから体重が急激に減りだし、身長172cmのところ10年以上70kg前後あったのが3か月ほどで63kgまで落ち、以来安定しています。
 自分にとって特筆すべきは、肩と背中の強化が功を奏して、ヴァイオリンを弾いても痛みが出なくなったことです。楽器を保持するために不自然な体勢で顎と肩に力を入れるので、ともすれば「寝違え」のような状態になって首や肩が回せなくなる症状が頻発していたのが、文字通り皆無になりました。おかげで昨年10月から、ほぼ10年ぶりに練習を再開することができました。
 ある程度外見も筋肉質になってきて、運動している様子になってきたのに、スポーツ競技とは無縁で実際に恩恵を受けているのはヴァイオリン演奏だなんて、ちょっと可笑しい気もしますが、自分にとってこれが筋トレの最大の成果であることは事実です。
 昨年からダンベルは少し重量を増して8kgにしました。10kg程度が適当かとも思いますがいずれにせよ故障のないことを最優先に低負荷を続けています。また、今年の4月には今まで使用できなかった自宅の屋上に人工芝を敷いて、室内では出来なかった縄跳びなどの運動ができるようになりました。
 そんなこんなで、相変わらず、今後も、自宅で試行錯誤しながら少しずつ体を鍛えていきたいと思っています。
 
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