臨床 作業療法 Vol.14 No.4
特集 麻痺側上肢の機能獲得への挑戦

◆特集
麻痺側上肢の回復に向けて
道具・活動を用いた麻痺側上肢への介入
電気刺激装置を併用した麻痺側上肢への介入
補助具(スプリント)を用いた上肢・手指機能への介入
ボツリヌス療法によるリハビリテーションと麻痺側上肢への介入
脳卒中後麻痺側上肢の使用行動を促進するためのアプリケーションツール:ADOC for Hand

◆連載
【新連載】アクティビティの実践講座
病棟リハの在宅での活かし方
CIセラピーのいろは
ADL潜考と実践

●本体1,500円+税 B5判



がん緩和ケアの決定版! 9年ぶりの改訂
新版 がん緩和ケアガイドブック

監修 日本医師会

 本ガイドブック(市販版)は、2010年から7年ぶりの改訂である。前書は,2007年に策定された「第1期がん対策推進基本計画」に基づき,がん対策推進委員会緩和ケア小委員会が中心となって、厚生労働省の委託事業として作成されたものである。本書は,厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班(研究責任者:小川朝生)により、基本的な緩和ケアに関する知識と技術の普及を図り、臨床現場で緩和ケアを実践するために必要な内容をすぐに参照できることを目的として改訂された。
 本改訂では,これまでの疼痛緩和、医療用麻薬の使用等を中心とした内容に加え、緩和ケアにおける考え方(意思決定支援)や診療の場を問わず広く緩和ケアのアプローチにつながるよう、療養場所ごとの緩和ケアの特徴について紹介するとともに、非がんの緩和ケアに対するアプローチ等についても盛り込んだ内容となっている。

(刊行日:2017年7月7日)

●定価2,700円(本体2,500円+税) ISBN978-4-902249-89-7 B5判 168頁



患者の向こう側にいる子どもが見えていますか?
がんの親をもつ子どもたちをサポートする本
親のがん、家族の一大事を経験する子どもたちと伴走するために


編集 有賀悦子(帝京大学医学部緩和医療学講座教授・診療科長)
南川雅子(帝京大学医療技術学部看護学科教授)

 親ががんに罹患したとき,親が子どもに病気のことを告げないことがある。しかし,子どもは,親が病気であることを察し,「自分のせいで親が病気になってしまった」と思ってしまったり,親が病気のことを秘密にしていることに対して,疎外感を覚えてしまうことがある。特に医療者は,患者およびその家族(患者の親や配偶者など)には目を向けても,その後ろにいる子どもたちには目が向かないことが多い。
 本書では,そのような場合の子どもへの対処の仕方や考え方を解説し,日本における支援プログラムを紹介している。特に「コアラカフェ®」のプログラムについては,立ち上げたビジョンから準備・開催プログラム,アクティビティに至るまで丁寧に説明している。26種類のアクティビティについてはすべてイラストで紹介している。

●定価3,024円(本体2,800円+税) ISBN978-4-902249-86-6 B5判 144頁



理論とエビデンスに基づいた臨床のスピリチュアルケア・テキスト
看護に活かす
スピリチュアルケアの手引き〔第2版〕


編集 田村恵子・河 正子・森田達也
 終末期のがん患者は何を望み、家族は何を求めているのか。現場のケア提供者のできることに何があり、そしてどのようなことが患者さんのためになるのだろうか。本書に関わる著者らは、それらを頭の中ではなく、実際の現場から1つひとつ見つけていくことを問いかけてきた。スピリチュアルペインの概念、アセスメントとケア計画の立て方、実践の指針、援助的コミュニケーションの実際、これまでの研究の俯瞰など、ケア計画から実践まで10年をかけたスピリチュアルケアに関する知見の集大成となっている。
 第2版では、Spiritual Pain Assessment Sheet(SpiPas)についての詳細な解説と具体的な活用方法を提示している。また、アセスメントからケア計画の立案・実践までイメージがよくわかるように記述されている。理論とエビデンスをバックボーンとした内容によって、日々、終末期がん患者の心の痛みと向き合う現場の医療者のケア指針となっている。

●定価2,160円(本体2,000円+税) ISBN978-4-902249-88-0 A5判 158頁


緩和ケア Vol.27 6月増刊号
心疾患・COPD・神経疾患の緩和ケア
—がんと何が同じで、どこがちがうか


 2017(平成28)年5月に,厚生労働省健康局長のもとに設置された「がん等における緩和ケアの更なる推進に関する検討会」においては,①約4分の3のがん患者はがん診療拠点病院以外の場所で看取られており,拠点病院以外の医療機関における緩和ケアの充実が重要であること,②緩和ケアはがん患者だけではなく,循環器疾患等の患者にも必要であること,③医師だけでなく医療従事者についても,緩和ケアの基本的な知識を身につけることが重要であること,の3点を踏まえて,がん等における緩和ケアの提供体制について,俯瞰的かつ戦略的な対策の検討が開始された。
 循環器疾患とは,心疾患ならびに脳血管疾患を指し,その主たるものとして,虚血性心疾患,心不全,脳卒中(脳梗塞,脳出血)がある。循環器疾患以外では,慢性閉塞性肺疾患(Chronic Obstructive Pulmonary Disease;COPD)と神経疾患が緩和ケアの適応となる重要な疾患として知られている。

 本特集の企画の目的と内容は以下である。
●想定する読者の対象:今までがんを中心とした緩和ケアを実践してきた医療従事者をおもな対象とする。
●学習目標:がん疾患と非がん疾患における緩和ケアの何が同じで何が違うかを認識し,今後の学習のきっかけをつかむこととする。
●執筆者:以下の2つのカテゴリーに分類される専門家に執筆を依頼した。
 ①非がん疾患の緩和ケアを先駆的に実践してきた緩和医療専門家
 ②心血管疾患・COPD・神経疾患の専門家で緩和ケアに興味をもっている医療従事者
●内 容:心不全,COPD,神経疾患の,①疾患の特徴,②どのような患者に緩和ケアが必要か?,③特異的な症状に対するマネジメント・ケア,④急性期における意思決定,⑤症状安定期における意思決定,⑥ソーシャルワークとリハビリテーション,について概説した。

 この特集が,普段がん診療に携わっていることが多い『緩和ケア』誌の読者を対象として,心血管疾患・COPD・神経疾患に対する緩和ケアの「ことはじめ」のお手伝いをすることができ,さらなる知識の探求の「きっかけ」になることを期待している。

●本体3,000円+税 B5判