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がん緩和ケアの決定版! 9年ぶりの改訂
新版 がん緩和ケアガイドブック

監修 日本医師会

 本ガイドブック(市販版)は、2010年から7年ぶりの改訂である。前書は,2007年に策定された「第1期がん対策推進基本計画」に基づき,がん対策推進委員会緩和ケア小委員会が中心となって、厚生労働省の委託事業として作成されたものである。本書は,厚生労働科学特別研究事業「適切な緩和ケア提供のための緩和ケアガイドブックの改訂に関する研究」班(研究責任者:小川朝生)により、基本的な緩和ケアに関する知識と技術の普及を図り、臨床現場で緩和ケアを実践するために必要な内容をすぐに参照できることを目的として改訂された。
 本改訂では,これまでの疼痛緩和、医療用麻薬の使用等を中心とした内容に加え、緩和ケアにおける考え方(意思決定支援)や診療の場を問わず広く緩和ケアのアプローチにつながるよう、療養場所ごとの緩和ケアの特徴について紹介するとともに、非がんの緩和ケアに対するアプローチ等についても盛り込んだ内容となっている。

(刊行日:2017年7月7日)

●定価2,700円(本体2,500円+税) ISBN978-4-902249-89-7 B5判 168頁



患者の向こう側にいる子どもが見えていますか?
がんの親をもつ子どもたちをサポートする本
親のがん、家族の一大事を経験する子どもたちと伴走するために


編集 有賀悦子(帝京大学医学部緩和医療学講座教授・診療科長)
南川雅子(帝京大学医療技術学部看護学科教授)

 親ががんに罹患したとき,親が子どもに病気のことを告げないことがある。しかし,子どもは,親が病気であることを察し,「自分のせいで親が病気になってしまった」と思ってしまったり,親が病気のことを秘密にしていることに対して,疎外感を覚えてしまうことがある。特に医療者は,患者およびその家族(患者の親や配偶者など)には目を向けても,その後ろにいる子どもたちには目が向かないことが多い。
 本書では,そのような場合の子どもへの対処の仕方や考え方を解説し,日本における支援プログラムを紹介している。特に「コアラカフェ®」のプログラムについては,立ち上げたビジョンから準備・開催プログラム,アクティビティに至るまで丁寧に説明している。26種類のアクティビティについてはすべてイラストで紹介している。

●定価3,024円(本体2,800円+税) ISBN978-4-902249-86-6 B5判 144頁



理論とエビデンスに基づいた臨床のスピリチュアルケア・テキスト
看護に活かす
スピリチュアルケアの手引き〔第2版〕


編集 田村恵子・河 正子・森田達也

 終末期のがん患者は何を望み、家族は何を求めているのか。現場のケア提供者のできることに何があり、そしてどのようなことが患者さんのためになるのだろうか。本書に関わる著者らは、それらを頭の中ではなく、実際の現場から1つひとつ見つけていくことを問いかけてきた。スピリチュアルペインの概念、アセスメントとケア計画の立て方、実践の指針、援助的コミュニケーションの実際、これまでの研究の俯瞰など、ケア計画から実践まで10年をかけたスピリチュアルケアに関する知見の集大成となっている。
 第2版では、Spiritual Pain Assessment Sheet(SpiPas)についての詳細な解説と具体的な活用方法を提示している。また、アセスメントからケア計画の立案・実践までイメージがよくわかるように記述されている。理論とエビデンスをバックボーンとした内容によって、日々、終末期がん患者の心の痛みと向き合う現場の医療者のケア指針となっている。

●定価2,160円(本体2,000円+税) ISBN978-4-902249-88-0 A5判 158頁



患者に余命を告知する方法をバージョンで分類して解説!
「残された時間」を告げるとき —余命の告知 Ver. 3.1

著者 西 智弘(川崎市立井田病院かわさき総合ケアセンター腫瘍内科/緩和ケア内科)

 患者の自己決定権の尊重,情報開示や説明義務遵守という背景のなかで,たとえ患者本人にとって悪い情報であっても,「告知」するということがなされるようになってきている。「がん告知」についても,今ではほとんどの患者に行われるようになってきており,それと同時に予後の見通しや余命についても告知されるケースも増えてきている。
 「余命の告知」については,国内外でさまざまな研究が行われており,海外の論文や教科書では,告知の方法や考え方についての指針や報告もある。しかし,日本では,「余命の告知」に関する日本人の特性や考え方,価値観などを加味した指針といったものはないのが現状である。
 本書では,このような現状をふまえ,前半では,日本における「余命の告知」について,余命を患者と考える「End-of-Life-Discussion(EOLd)」の考え方や進め方,日本人の死生観や行動経済学などを総論としてまとめている。後半では,余命の告知を類型ごとに分類し,告知の方法,細かい手技を示している。また,「オムニバスまんが」により,医師が実際に患者に余命を告知するシーンをそれぞれの場面で類型ごとに具体的にわかりやすく示している。これまで余命の告知をしたことがない医療者には,入門書として,今まで余命の告知をしてきた医療者には,告知方法を考える1冊として,必読の書である。


●定価3,024円(本体2,800円+税) ISBN978-4-902249-87-3 A5判 240頁



生き方そのものがドラマであり、詩である著者からの希望のメッセージ
琉球すみれ
木村浩子歌集


著者 木村浩子(歌人、画家)

わが庭に舞踏会のごと華やぎて琉球すみれ群れ咲く朝(あした)
——短歌とは、他の文章とは違い、知れば知るほど深い意味が感じられ、日本人であることを喜び、また沖縄に移り住むようになって琉歌を知り、それを強く感じさせられています。しかし、琉歌は、わたしにとって、これからの学びの第一歩です。沖縄は、日本国ではありますが、いろいろな面で厳しくまた人間的なやさしさを感じさせられています。そのことは今後のわたしの人生の課題でもあります。(「あとがき」より)
唯一自由に動く左足指で絵を描き、短歌を作り、生活する重度障害者である著者。世界身体障害者芸術家協会会員であり、人間のやさしさをふっと感じさせる童画や俳画を主に描いてきた。
また、反戦・平和・障がいなど絵にできない心象には、その気持ちを短歌の短い言葉の中に込める。本書はこれまで約60年間に培ってきた短歌を選りすぐって集大成したものである。「人が好き、土が好き、そして私が好き」と人類愛を謳い、自然を賛美する透徹した眼差しが強く読者の心に届けられるだろう。

〔著者のプロフィール〕
木村浩子。1937年生まれ、総ての学歴を有せず。1955年、広島短歌会結社「真樹」会員。1962年、世界身体障害者芸術家協会会員。1987年、沖縄短歌会会員。2014年、NPO法人共に生きるネットワーク「まなびやー」理事。
著書には、歌集『足指に生きる』(1966年)、『わが半生記』土の会(1967年)、詩画集『わらべ その詩』社会福祉法人東京コロニー(1985年)、『おきなわ土の宿物語』小学館(1995年)、『土の宿から「まなびやー」の風がふく』青海社(共著、2009年)、『二人つれづれ』ボーダーインク(共著、2011年)などがある。

●定価2,000円(本体1,852円+税) ISBN978-4-902249-85-9 四六判 208頁



わが国のホスピス緩和ケアの取り組み・現状・動向をつぶさに解説する
ホスピス緩和ケア白書2017
小児緩和ケアの現状と展望


編集 志真泰夫・恒藤 暁・細川豊史・宮下光令・山﨑章郎

 近年,小児緩和ケアは病院だけでなく,在宅でも普及しつつある。「子どものホスピス」型のサービスは病院主導で始まり,小児専用の緩和ケア病棟も設置された。その後,子どものホスピスとコンセプトを共有するようなフリー・スタンディングの活動として,地域の中で病気の子どもたちを支える活動が全国各地に広がりをみせている。
 本白書では,小児緩和ケアの取り組みを多角的な面から述べ,今後の小児緩和ケアのあるべき方向性を展望する。現在,展開されている各地での多彩な活動について,各現場の実践者がその取り組みを報告。「子ども支援」に携わるすべての現場で役立ててほしい。

主な目次
第 I 部 小児緩和ケアの現状と展望
1.わが国の小児緩和ケアの現状と海外の状況
2.小児緩和ケアの現状と展望
3.子どもホスピス型施設における活動の萌芽
4.重い病気の子どもたちとその家族を支える社会活動
第 II 部 統計と解説
1.データでみる日本の緩和ケアの現状
2.ホスピス緩和ケア週間
3.緩和ケア関連の資料

●本体2,200円+税 ISBN978-4-902249-84-2 B5判 134頁


〔新版〕訪問リハビリテーション実践テキス

編集 日本訪問リハビリテーション協会

 訪問リハビリテーションは、他の地域ケア・サービスとともに、その人らしい暮らしを支えるヒューマンなサービスである。在宅医療が重視される地域包括ケアシステムにおいて、他の訪問系リハサービスとともに今後ますます重要な役割を果たすことが期待されている。
 訪問リハでは、対象者の生活機能全般を見直し、生活状態を見定め、適切な時期に適切な手段を選択できるようにしていく必要がある。そのためには、訪問リハの歴史、位置づけを学ぶことが前提として大切である。そして、評価・アプローチ・計画の立て方の基本を熟知しなければならない。また、訪問リハ事業所の管理・運営にも項を割いて実際的なものとしている。付録としては、実務に必須であるさまざまな計画書・報告書などの書式集を載せている。
 訪問リハは、在宅という現実の生活の場で、日常生活活動の自立と社会参加の向上を図れる最良のサービスである。これから訪問リハを始める人、現場で試行錯誤しているスタッフなど、よりよい訪問リハを追及する専門職のための入門書であり、実践書となっている。


●本体3,000円+税 ISBN 978-4-902249-83-5 B5判 236頁


新たな全人的ケア
医療と教育のパラダイムシフト

【編】トム・A・ハッチンソン(マギル大学医学部 教授)
【訳】恒藤 暁 (京都大学医学部附属病院 緩和医療科 教授)

 Whole Person Careの対象者は医学生や医師だけでなく、職種・専門性を問わず、すべての医療従事者や学生、全人的ケアに関心がある方々、そして苦痛・苦悩の中にあるすべての人々となる。本書を通して癒しの関係性が築かれ、人々が癒しへと導かれ、そしてわが国でのホスピス・緩和ケアの臨床と教育の発展に少しでもお役に立てていただけるよう願っている。
−−柏木哲夫氏

 医療は病気を診断・治療することに重きが置かれているが、死の不安、生きる意味への問い、孤独など精神面もケアされる必要がある。身体面のみならず全人的ケアの概念の新しいパラダイムを具体的に解説する。


●本体2,000円+税 ISBN 978-4-902249-80-4 A5判 300頁



ホスピス緩和ケア白書2016
緩和デイケア・がん患者サロン・デイホスピス


編集 志真泰夫(筑波メディカルセンター病院 緩和医療科)
恒藤 暁(京都大学医学部附属病院 緩和医療科)
細川豊史(京都府立医科大学 疼痛・緩和医療学講座)
宮下光令(東北大学大学院 医学系研究科保健学専攻 緩和ケア看護学分野)
山﨑章郎(ケアタウン小平クリニック)

 がん対策推進基本計画では、がん診療連携拠点病院において「がん患者サロン」のような場の設置を推奨するとしている。実際は、各施設の担当職員が他病院への見学や、さまざまな研修により模索しながら運営している状況である。「がん患者サロン」に類似した支援として、の緩和デイケアやデイホスピスがある。在宅で療養するがん患者に対する支援のために、同病者との交流、絵画や音楽などを通して家族のレスパイトケア、リハビリテーションなどが看護職を中心とした医療者・ボランティアによって提供される。
 がんサバイバーが急増しているわが国において診断・治療・在宅療養の各期に身体・心理社会・スピリチュアル面に影響を受けながら、就労・子育て・介護なども担いつつ課題を抱えてがんサバイバーは生活の中にいる。それを支える「緩和デイケア」「がん患者サロン」「デイホスピス」の経緯と現状、展望を解説し、そして、代表的な実践や活動について現状を紹介する。

●本体2,200円+税 ISBN 978-4-902249-81-1 B5判 118頁



生活行為向上力の見つけ方
作業・環境・園芸療法の理論とプログラム

編著 藤原 茂(夢のみずうみ村 代表)
編著 山口県園芸療法研究会

 「生活行為向上」の根底ある意識は、「作業」「作業すること」「作業の力」が脚光を浴びたというものであった。まさに、作業療法が脚光を浴びたのであり、環境療法との合体した「園芸療法」が注目されると再確認して執筆作業を始めた。
 「作業」とは何か、「作業する」とは何かを、真摯に追求し続けることが作業療法の世界に求められて久しいが、そこが不十分なのではないか。それを深く、強く意識させた「生活行為向上」に働きかける「作業」という視点こそ生命線だ。作業療法士は、今、「作業」の重大さを再認識したのだ。
 作業療法を学びたい人たちの、具体的入門書として、また作業療法士諸氏の気づきとして本書が活用されることを願う。

(「あとがき」より抜粋)

●本体3,000円+税 ISBN 978-4-902249-79-8 B5判 フルカラー 170頁



作業療法を創る
この50年のナデシコ・サムライたちの挑戦

編集 鎌倉矩子・岩﨑清隆

 11名のナデシコ・サムライJAPANが作業療法士になったきっかけから、これから目指すもの、作業療法の可能性までが語られる。医療・ケアの定まった、また移り変わる施策でルートがない混乱期、「何もモデルがないときに」何をしてきたかは関心のあるところ。それは現在でも変わらない。それはとりもなおさず、「あなたは今の問題にどう対峙する」のかと。
 斯界の第一人者である鎌倉矩子・岩﨑清隆の両作業療法士がインタビューをし、多分野にわたる作業療法を複眼的な視点からそれぞれの功績を詳らかにする。そして、躓き、悩み、臨床での喜びなど、彼女・彼らにとって作業療法とはどういうものであるかをあぶり出して行く。常に患者と共にあろうとしたそれぞれの心に響く軌跡を客観的に、かつ感動的に描き出している。
 作業療法の挑戦の歩みをひも解く本書は、臨床・教育に従事する作業療法士にとって自らの立ち位置をうつす鏡となっている。


●本体3,600円+税 ISBN 978-4-902249-78-1 四六判 488頁



アフリカで老いを生きる
−看護師・助産師として人々と共に−

著者  徳永瑞子(NGOアフリカ友の会 代表)

 「老後はアフリカで過ごすと決めていた。エイズ孤児たちの成長を見守り、エイズ患者さんと農業をし、時々、お産の介助をする。こんな生活をしたいと思っている」(「老後はアフリカで」より)
40年来アフリカと関わり続けてきた著者が、ついにアフリカを本拠地とする決意をする。なぜに、アフリカはこうも著者を惹きつけるのか、そのすべてが本書に詰められている。心からの笑いがあり、悲しみを感じ、感動をいだくようないのちの重さに対する根源的交流がそこにはある。医療の原点ともいえるものがあり、人間として、助産師として、看護師としての役割が待っているのである。
 『これは本当のアフリカのお話です−大好きで、いとおしいあなたへ』とともに、閉塞感に燃えつきそうになりそうな医療スタッフの心を支える珠玉のエッセー。


●本体1,600円+税 ISBN 978-4-902249-77-4 四六判 234頁



ホスピス緩和ケア白書2015
ホスピス緩和ケアを支える専門家・サポーター

編集 志真泰夫(筑波メディカルセンター病院 緩和医療科)
恒藤 暁(京都大学大学院医学研究科 集学的がん診療学講座)
森田達也(聖隷三方原病院 緩和支持治療科)
宮下光令(東北大学大学院 医学系研究科保健学専攻 緩和ケア看護学分野)

 緩和ケアの身体的・精神的・心理社会的・スピリチュアルな痛み・苦悩に寄り添い、支えていくにはさまざまな人々、専門的な人々の力を必要とする。その際にチームアプローチは、1人の患者・家族のいろいろなニーズに対応するために必要不可欠である。多種多様な専門家、あるいはインフォーマルな人々が、それぞれ専門的な立場で互いに連携して、ケアに参加することによってなしえる。その身体的な苦痛緩和は医師、看護師による医療、看護に重要な役割があるが、今回は医師・看護師以外のメンバーでホスピス緩和ケアを支える人たちに焦点を当てて取り上げた。 
 本白書では17の専門家・サポーターの中から執筆者にお願いして、その役割や現状、展望などを記した。また、データでみる日本の緩和ケアの現状、緩和ケア関連の資料も最新のものを収録した。わが国におけるホスピス緩和ケアの年報(Annual Report)、あるいは年鑑(Year Book)という役割を担いつつある。

●本体2,200円+税 ISBN 978-4-902249-76-7 B5判 118頁


それでも共に歩きたい
重度障害者の自立を支える茶の花福祉会の挑戦
[絶版]

編集 茶の花書籍企画プロジェクト

 ある障害者の一言、「俺たち、親がいなくなったら、どう生きていけばいいのだろう」が活動のはじまりである。生活や社会参加の場としての施設が周りにない状況で、「ないなら、つくろう!」と思い立ち、実行に移した。しかし、周囲の自治会からの反対、スタッフの造反、利用者の意識など、立ちはだかる壁、壁…。それらをどのように乗り越えていったのか。
 現在、茶の花福祉会のどの施設でも、ありとあらゆるリハビリテーションを取り入れている。駅伝、サッカー、市民とのふれあい祭りなど大規模なものから、手芸・木工・デッサンなどのクラブ活動、セラピー犬をお世話したり、物産販売コーナーで売り子をしたりとアクティビティの種類は限りない。知らずのうちに、楽しみながらリハビリテーションを行い、自立の芽が育っている。
 この根底にある脈流は何か。スタッフには、支援は利用者を助けるものだけでなく、真の自立を目指したものであるという意識が根づいている。それはスタッフの人間的な成長を促すためにも、必要不可欠としている。重度障害者に関わるすべてのセラピストの必読書となっている。


[絶版] ISBN 978-4-902249-75-0 B5判 184頁


がんサバイバーを支える
緩和デイケア・サロン

編著 阿部まゆみ(名古屋大学大学院医学系研究科東海がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン 准教授)
安藤詳子(名古屋大学大学院医学系研究科看護学専攻 教授)

 がん患者や家族が心の悩みや体験を語り合う場は、不安を解消し、安心を得るために必要とされている。本書は、日本における緩和医療のがん患者を支えるシステムを振り返り、そして緩和デイケアの実践を先駆的に進めてきたイギリスの歴史をひも解いている。
 各論として、最初に「がん患者サロン」を地域に展開してきたがんサバイバーや家族・ボランティア市民による設立の経緯・意義・サロン運用の具体例、次にクリニックや訪問看護ステーションにおける「緩和デイケア(ホスピス)」を地域に浸透する取り組み、さらにがん診療連携拠点病院などで「がん患者サロン」に関わっている医療職からの実践例など、その実際を写真や図表で分かりやすく紹介していただいた。これから「緩和デイケア」や「がん患者サロン」を始める方のために、また運営されている方の参考として、それぞれの特徴を記している。
 医療と日常をつなぐ懸け橋として「緩和デイケア」や「がん患者サロン」が病院や地域へと広がることを期待したい。


●本体2,200円+税 ISBN 978-4-902249-74-3 B5判 188頁


画像・シェーマで納得!
「つらい症状」のもとが見える

編著 斎藤真理(横浜市立大学附属市民総合医療センター 化学療法・緩和ケア部長)
水越和歌(イムス富士見総合病院 放射線科部長)

 代表的な「つらい症状」を取り上げ、物語がドラマ風に進行する。緩和ケア科の医師・看護師・臨床心理士・管理栄養士などの緩和ケアチームのメンバー、放射線科医、研修医、その他に12名のキャストが登場する。カンファレンスが行われ、画像所見の基本が語られて疑問点が提示され、次の展開へつなげていく。専門用語には、説明が適宜加えられている。
 随所に配置されている「読影メモ」は、画像診断に欠かせない知識である。コラム「おさえておきたい」を読むことによって緩和ケアに役立つトッピクスを知ることができる。
 本書は、(1)検査の実施法、(2)読影のコツ、(3)解剖生理学の復習、(4)画像所見を緩和ケアへ応用するヒント、(5)専門性を活かしたチーム医療の楽しさを得ることができる。画像・わかりやすい図解から、症状の改善に焦点を当てた稀有な読み物である。医師、ナース、薬剤師、医療ソーシャルワーカー、その他、緩和ケアの臨床に関わる医療者の必読本である。


●本体2,800円+税 ISBN 978-4-902249-73-6 B5判 114頁


「生と死」の21世紀宣言 part6
−苦しみの意味と再生への道

シリーズ編集 21世紀高野山医療フォーラム
責任編集 柳田邦男(ノンフィクション作家・評論家)
髙松哲雄(21世紀高野山医療フォーラム運営委員長)

 本書籍は、「21世紀高野山医療フォーラム」第9回の内容をまとめた。東日本大震災に見られた災害によるいのちの危機と年3万人以上という多きに上る自死問題の2つの時代的な課題を取り上げて、多角的に論じた。いずれも、この国におけるいのちを守る社会的基盤の脆弱さがさらけ出された事態だが、両者それぞれに向き合い救済の努力をしている実践者の報告は、問題克服への道を考えるうえで示唆に富んでいる。
−−柳田邦男氏

 喪失や絶望の中から、「私の魂はこういう経験を求めているのだ」という気づきが生まれ、悲しみを抱えつつも、生きなおそうとするいのちの鼓動が甦る。そうした精神性を引き出すものは何か。危機の時代に医療ができること、宗教ができることを問う。


●本体1,600円+税 ISBN 978-4-902249-72-9 四六判 184頁



奏であういのち
−脳性まひとALSの人たちをめぐる物語−

著者 樋髙知子(ノンフィクションライター)

 「身体が不自由でも、こころまで不自由ではない」懸命に生きる障がい者と、運命的に出会う支援者。障がい者の、これをしたい、あれをしたいという思いは強ければ強いほど、必ず成就に近づいていく。障がいにより地域で暮らすことが困難な6名の人間がサポーターと苦楽をともにしながら、家族や施設に頼らず、自分らしい生き方を求めて地域生活に挑戦し続ける物語。
(1) 藤亜里佳:叔母の加藤奈津美、そして亜里佳に筆談を可能にした宮崎由紀子の愛情あふれる関係
(2) 金善栄:善栄を含め5人の子どもを育てた母・文子、彼女の自立を手伝ってきたポチ(愛称)との関係
(3) 實方裕二:實方の介助を始めてから25年間、よき理解者であり、友人である森薗卓朗との関係
(4) 福永年久:水谷安良が学生時代に始めたボランティア介助をきっかけに、現在まで続くつき合い
(5) 木村浩子:文通をきっかけに50年以上にわたり、支援し続ける親友・松田直代との関係
(6) 甲谷匡賛:親友の由良部正美(舞踏家)と志賀玲子(舞台プロデューサー)が立ち上げた福祉と医療と芸術を結ぶプロジェクト

●本体1,800円+税 ISBN978-4-902249-71-2 A5判 302頁



ホスピス緩和ケア白書2014
−がんプロフェショナル養成基盤推進プランと
 学会・学術団体の緩和ケアへの取り組み


編集 恒藤 暁(大阪大学大学院 医学系研究科 緩和医療学寄附講座)
森田達也(聖隷三方原病院 緩和支持治療科)
宮下光令(東北大学大学院 医学系研究科保健学専攻 緩和ケア看護学分野)

 がん医療の担い手となる高度な知識・技術をもつ複数のがん専門医療人を養成する文部科学省の「がんプロフェッショナル養成プラン」が2007年度から開始され、2012年度から「がんプロフェッショナル養成基盤推進プラン」となっている。このプランにより、一部の医科大学に緩和医療専門コースが開設された。どのようなプログラムを作成し、実際に取り組んでいるのか、また、その成果はどうであったかを検討していただいている。また、「学会・学術団体の緩和ケアへの取り組み」では、日本救急医学会、日本循環器学会、日本神経学会、日本老年学会、日本在宅医学会の緩和ケアに関する取り組みやガイドラインについて解説していただいている。
 「ホスピス緩和ケアに関する統計と解説」では、緩和ケア病棟、緩和ケアチーム、在宅緩和ケア、教育・学会、診療報酬、医療用麻薬などの統計と動向を資料として掲載している。

●本体2,200円+税 ISBN 978-4-902249-70-5 B5判 106頁



3ステップ 実践緩和ケア
(本書籍購入者限定)
編集 木澤義之(神戸大学大学院医学研究科内科系講座)
編集 森田達也(聖隷三方原病院緩和支持治療科)
編集 新城拓也(しんじょう医院)
編集 梅田恵(株式会社緩和ケアパートナーズ)
編集 久原幸(手稲渓仁会病院緩和ケアチーム)

 本書は、日々、緩和ケアを実践する方々の助けとなることを願って作られた。そして、医師向け、看護師向けなどと職種を限らず、患者に関わるすべての職種にとって「共通言語」として使えるようになっている。
 また、次のような特色をもっている。(1)即戦力となることを重視して、一般名から探す手間を省き、そして具体的に投与量を記述。(2)白衣に入るポケットサイズで、持ち運びに便利。(3)症状マネジメント、ケアの工夫、説明の仕方、看取りのケアなど、緩和ケアで生じるほとんどの問題をカバー。(4)看取りのケアや、呼吸困難のケアなど、がん以外の患者さんにも応用可能な内容。(5)注射薬が利用しにくい時の対応など、在宅での工夫を取り入れている。
 文字だけでは伝わらない情報は26種類のパンフレットとして、ホームページからのダウンロードで即、臨床や患者さんへのケアにつなげられるようになっている


●本体2,000円+税 ISBN 978-4-902249-69-9 B5判変形 174頁

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